ナイトガード(夜用マウスピース)を付けたら穴が開いた原因と対策法を解説

歯科医師監修イラスト解説

子どものナイトガード_1_子どもの夜用マウスピースの穴あき原因と対策を図解:歯ぎしりによる損傷メカニズム、正しい装着方法、定期的なチェックポイントをイラストで解説。
子どものナイトガード_2_子どもの夜用マウスピースの穴あき原因と対策を図解:歯ぎしりによる損傷メカニズム、正しい装着方法、定期的なチェックポイントをイラストで解説。
子どものナイトガード_3_子どもの夜用マウスピースの穴あき原因と対策を図解:歯ぎしりによる損傷メカニズム、正しい装着方法、定期的なチェックポイントをイラストで解説。
子どものナイトガード_4_子どもの夜用マウスピースの穴あき原因と対策を図解:歯ぎしりによる損傷メカニズム、正しい装着方法、定期的なチェックポイントをイラストで解説。
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子どものナイトガード_8_子どもの夜用マウスピースの穴あき原因と対策を図解:歯ぎしりによる損傷メカニズム、正しい装着方法、定期的なチェックポイントをイラストで解説。

専門家による詳細ガイド

子供用のナイトガード(夜用マウスピース)が短期間で穴が開いてしまう原因と対策法について歯科医が解説していきます。

みなさん、こんにちは!

東京都大田区田園調布にある「ABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科」の院長です。

子供がナイトガード(夜用マウスピース歯ぎしり用)を付けて、数日間で穴が開いてしまった場合、夜寝ている時に、無意識に「強い歯ぎしり」をしていることが原因です。

歯ぎしりは歯や歯根に強い力がかかるので、マウスピースに少しずつ傷が付き、削れてしまうことがありますので、定期的に歯科医院でチェックしてもらう必要があります。

本記事では、子供用の夜用マウスピース(ナイトガード)が短期間で穴が開いてしまう原因と対策法について歯科医が解説していきます。ぜひ最後までご一読ください。

▽先読み!この記事で分かること

・「マウスピース穴空いた」の原因は無意識の強い歯ぎしり(食いしばり)が原因

・夜間の強い歯ぎしりは歯・顎・身体へ悪影響を及ぼす

・矯正で噛み合わせのズレを調整できる

ご質問:子供がナイトガード(夜用マウスピース)を付けたら数日で穴が開いた原因は?

ご質問をいただきました。

ご質問者様:8歳の息子さんのお母様

息子が歯科医院でナイトガード(夜用マウスピース)を作ってもらい、寝ている時に付けているのですが、数日使っただけで、すぐに穴が開いてしまいました

友人に聞いたら「マウスピース穴空いたって!? そんなに簡単に穴なんてあかないよ!」と言っていたので、不良品だったのでしょうか?何か原因があれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。

回答:無意識の強い歯ぎしり(食いしばり)が原因

質問に回答します。

大人も子供も、ナイトガード(夜用マウスピース)を付けると、数日間で穴が開いてしまう方が結構いらっしゃいます。

ナイトガードに穴が開いてしまった原因は不良品ではなく、ご本人の自覚なしに、夜寝ている時にものすごい強い力で「歯ぎしり(食いしばり)」をしているからです。

人間は、意外と無意識のうちに歯ぎしりをしていて、体重の数倍もの力で噛み合いながら、下顎を前後と左右に動かしています。

毎晩のように、過度な負担が歯や歯根にかかりますので、自覚なく歯やあごを痛めてしまい、ナイトガードに穴が開いてしまったのだと考えられます。

マウスピースの耐用年数は歯ぎしりの程度によって個人差がありますが、穴が開いてしまったり、すり減って割れてしまった場合は、歯科医院で作り直してもらいましょう。

歯ぎしりをするたびに噛み合わせが変わっていきますので、ナイトガードに問題がないかどうか、定期的に歯科医院でチェックされることをおすすめします。

ナイトガード(夜用マウスピース)とは?

人間は健康な人でも就寝時に10分〜15分くらい歯ぎしりをして、無意識のうちにやっていますので、歯ぎしりを完全に治すことは困難です。

強い歯ぎしりの習慣がある方は、睡眠時に40分以上、噛みしめていますので、歯と歯周組織、顎関節、そして全身にまで悪影響を及ぼしますので、改善することが望ましいといえます。

ナイトガード(夜用マウスピース)とは、就寝時に歯ぎしりから歯を守るため、上の歯全体を覆うように装着するマウスピース型の装置です。

寝ている間にナイトガードを装着することで、歯と歯の間でクッション的な役割を果たし、リラックス状態となり、顎関節や歯、歯周組織に余計な力がかからないようにします。

ナイトガードの効果

ナイトガードを装着すると以下の効果が期待できます。

歯にかかる負荷を軽減する

・歯に加わる力を分散させて、歯が欠けたり割れたりするのを防ぐ

歯のすり減りを防止し、歯を守る

顎の筋肉疲労を改善する

顎関節症の予防・改善

ナイトガード(夜用マウスピース)を装着してもある程度の歯ぎしりは続きますが、過剰に噛みこめなくなるため、歯や顎関節にかける負担を抑えられます。

歯ぎしり用マウスピースの種類

柔らかいゴム製でできたソフトタイプと硬い樹脂で作られたハードタイプの2種類あり、ソフトタイプの方が違和感が少なく馴染みやすいことからソフトタイプが主流です。

▽マウスピースの種類

ソフトタイプ

歯ぎしりの程度が少ない方、装着感の良さを求める方におすすめです。

・柔らかいゴム素材

・違和感は少なく、馴染みやすい

・歯ぎしりが強い方は穴が開きやすい

・厚みの調整は不可

ハードタイプ

歯ぎしりがかなり強い方、顎関節に痛みがある(顎関節症)方に適しています。

・硬い合成樹脂(レジン)素材

・装着時に締めつけ感、違和感がある

・穴が開きにくい、削れにくい

・厚みの調整をしやすい

市販と歯科医院で作るナイトガード(夜用マウスピース)の違い

近年は、市販品も販売されていますが、ゴム素材のマウスピースをお湯に浸して柔らかくしてから歯に合わせるため、適合が悪く、違和感が出やすいです。

一方で、歯科医院で作る場合は一人ひとりの歯型と噛み合わせに合わせたものを圧接し製作するので、ピタリとフィットして装着感に優れています。

保険適用の治療として認められていますので、歯科医院でオーダーメイドで製作してもらうことをおすすめします。

ナイトガードやマウスピースに穴が開く原因

マウスピースを数日間付けたら穴が開いてしまった方は、睡眠時に無意識のうちに強い歯ぎしりによる大きな力がかかっていることが原因です。

大人も子供も、一度、装置を製作して装着してみると、ご自身がどれだけ寝ている時に歯を傷つけているか確かめることができます。

装置の耐用年数は使用頻度や個人差によって異なり、一般的には約1年くらい持ちますが、歯ぎしりの強度によっては、短期間で不具合が生じるケースがあります。

毎晩強い力がかかっていると、装置は徐々に削れていきますので、すり減って穴が開いたり、変形してしまったら、歯科医院で新しく作り直してもらうことをおすすめします。

夜間の強い歯ぎしりが及ぼす3つの悪影響とは?

夜間の強い歯ぎしりが続くことで、3つの悪影響を及ぼします。

1)歯を傷つける

長時間の歯ぎしりが原因で歯に大きな力がかかり、歯が削れたり、亀裂が入ったり、歯が割れてしまうこともあります。

歯や歯の周囲の組織にダメージを与えて歯根膜が炎症を起こすと、歯が痛い、歯がしみる(知覚過敏)、舌や頬を噛みやすい、口内炎ができやすいといった症状も起こります。

2)顎の関節を痛める

歯ぎしりにより顎の関節に強い力が加わると、顎の関節にある関節円板の位置がズレて、顎が痛くなり、顎関節症や開口障害になることがあるので要注意です。

口を開閉するとカクッと音がしたり、顎を動かした時に痛い、硬いものを食べると顎が痛くなる、顎が開きにくい、顎が疲れるといった症状がある場合、顎関節症の可能性があります。

3)頭痛・肩こり・腰痛などを引き起こす

強い歯ぎしりが続くと、顎から首・肩にかけての筋肉が緊張して疲労するので、頭痛、肩こり、腰痛など、全身へ悪影響を与える原因になります。

マウスピース装置の正しいお手入れ方法

朝、装置を外したら、流水下で柔らかい歯ブラシで優しく洗ってください。

熱湯は変形しやすいのでNG、歯磨き粉は研磨剤により装置を傷つけてしまうため使用しないほうが良いです。

細かい汚れや細菌、ニオイを取り除くには専用の洗浄剤に浸けたり、専用の除菌・洗浄スプレーを使いましょう。

洗浄後は乾燥させて、紛失や破損しないように専用の容器に入れて保管してください。

子供の歯ぎしりダメージは矯正で対処できる

乳歯の時期は、眠っている間、永久歯のスペースを作るために、歯ぎしりをしながら顎の位置を決めています。顎の成長発育の過程ですので、大きな心配はありません。

しかし、永久歯が生え揃う15歳頃になっても強い歯ぎしりが見られるようであれば、永久歯が欠けたり、顎関節症になる可能性がありますので、装置の装着をおすすめします。

前歯が永久歯に生え変わったら、一度、歯科医院でかみ合わせをチェックしてもらい、不正咬合の症状がある場合は、小児矯正によって成長中の顎骨をコントロールすることが可能です。

小児矯正は顎の成長を良い方向に促しながら、かみ合わせのズレを調整して正常咬合を目指しますので、歯ぎしりによる負担を軽減する効果も期待できます。

子供の歯ぎしりが気になったらぜひご相談ください

無意識に歯ぎしりをする方は、歯が痛くて噛めない、顎が開きにくい、顎が疲れるといった症状が出る前に睡眠時に「夜用マウスピース歯ぎしり用」を装着するとよいでしょう。

不正咬合の場合は噛み合わせが悪いために、さらに歯を傷つけたり、顎の関節を痛めたりしますので、早めに歯科医院に相談されることをおすすめします。

お子様の歯ぎしりが気になる方は、ぜひお子様と一緒に大田区田園調布にある「ABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科」までお気軽にご相談ください。

東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。

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