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歯科医師監修イラスト解説
専門家による詳細ガイド
子供の歯の生え変わりが遅い理由とそのメリットや注意点を解説。経過観察が必要なケースもわかりやすくご紹介。メリット・デメリット、歯科医に相談すべきケースまで詳しく解説します。
みなさん、こんにちは!
東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「ABC Dental」の院長です。
お子様の可愛らしい乳歯が抜けてくる時は、親御様にとって子供の成長を感じる嬉しい時期でもありますが、「なかなか永久歯が生えてこない…」と心配されている方も多いようです。
そこで今回は、子供の歯の生え変わりが遅いのは問題なのか、小児歯科医が意外なメリットと注意した方がよいケースについて解説していきますので、ぜひご一読頂ければと思います。
▽先読み!この記事で分かること
・生え変わり時期は個人差が大きい
・一般的な生え変わる時期は5歳半から
・原因は永久歯の成長が遅れている可能性
・基本的には経過観察でOK
ご質問:子供の永久歯が生えてくるのが遅いと問題ですか?
ご質問をいただきました。
ご質問者様:7歳の娘さんのお母様
子供の歯の生え変わり時期について質問です。7歳の娘はまだ永久歯が生えてこないのですが、娘と同学年のお友達はみな歯の生え変わりが始まっていると聞いて大丈夫か……と不安です。
今後、乳歯のままで抜けない可能性はありますか?歯の生え変わりが遅いことでどんな問題があるのか教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。
回答:個人差が大きく、基本的には問題ありません
質問に回答します。
お子様の歯の生え変わりが周囲と比べて遅い場合、親御様は心配になるかもしれませんが、実際は個人差が大きいところですので、あまり神経質になる必要はありません。
乳歯については、生まれてすぐに生えてくる場合もありますし、1歳を過ぎてから生え始めることもあり、お子様によってそれぞれ個人差があります。
乳歯が生え揃う(上10本、下10本の計20本)のは一般的には3歳頃になり、乳歯から永久歯に生え変わる時期は5歳半~13歳くらいの間に長い時間をかけて生え変わっていきます。
ただし、年齢はあくまでも目安ですので、歯が生え変わる時期はお子様によってそれぞれ異なり、9歳ぐらいになってはじめて乳歯が抜け始めて永久歯が出てくるお子様もいるのです。
永久歯に生え変わる時期が遅いと気になるかもしれませんが経過観察していただいて、基本的には中学生に入る頃までには乳歯が抜け落ちるケースがほとんどです。
また、歯の生え変わりが遅いことで虫歯になりにくい環境になるといったメリットもありますので、後ほど詳しく解説します。
歯の生え変わりが遅いことで特に問題はありませんが、稀なケースとしては先天的に永久歯の数が少ない「先天的欠如」といった症例もありますので、気になる場合はまずはお近くの歯科医に相談されることをおすすめします。
乳歯から永久歯に生え変わる時期と順番は?
乳歯が生えてくる時期は個人差がありますが、一般的には生後8か月頃に生え始めて、3歳頃には上あごに10本、下あごに10本、全部で20本の乳歯が生え揃います。
乳歯が生えてくる順番は最初に下の前歯2本が生えてきて、次に上の前歯2本、そして上下前歯の両隣りが生え揃い(全部で8本になる)、続いて奥歯と犬歯が生えてくることが多いです。
乳歯から永久歯に生え変わる時期においても個人差が大きく、一般的には5歳半〜7歳くらいにグラグラし始めて抜け落ちていきます。
歯の生え変わりが早いケースでは4歳半頃、遅いケースでは9歳頃となり、小学校の同学年でも永久歯が多く生えてきているお子様もいれば、まだ乳歯だけのお子様もいるのです。
永久歯が生えてくる順番にも個人差があり、上から先に生えてきたり、他の歯が生えてくることもありますので、歯の生え変わりの時期や順番はあまり神経質になる必要はありません。
親御様は「歯の生え変わりが遅いみたい…」と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、「気にせず様子見しましょう」というスタンスで見守っていただきたいと思います。
歯の生え変わりが遅いのはなぜ?
歯の生え変わりは個人差が大きいとはいえ、なぜ永久歯が生えるのが遅いのか理由が気になる方もいらっしゃるでしょう。
考えられる理由としては、永久歯の成長が遅れていることで、乳歯の根っこがなかなか吸収されず、歯が抜け落ちない可能性があります。
永久歯は乳歯のすぐ下にある骨の中で成長し、乳歯の根っこを吸収して溶かすとグラグラし始めて抜け落ちる仕組みですが、永久歯の成長が遅れると乳歯の根っこが吸収されないのです。
一般的には5歳くらいに歯が生え変わりますが、永久歯の成長が遅れている場合、乳歯が抜ける時期も遅くなりますので、中学生に入った頃に生え変わるケースもあります。
ただし、先ほども述べたように、歯の生え変わる時期は個人差が大きく、身体の成長もお子様それぞれ異なるように、永久歯の成長速度も人それぞれ異なるため、過度な心配は不要です。
現代の子供たちは昔よりも柔らかいものを食べる機会が多く、咀嚼回数が減っている傾向にありますので、歯の生え変わり時期との関係性が指摘されています。
歯の生え変わりが遅いケースのメリット
歯の生え変わりが遅い場合、実はメリットもあるのです。
一生のうちで永久歯がお口の中にある期間が短くなりますので、虫歯になるリスクが低くなるというメリットがあります。早いケースよりも虫歯になる期間が2年間くらい短くなるのです。
歯の生え変わりが遅いケースのデメリット
歯の生え変わりが遅いということは、顎の成長が遅い可能性も考えられますので、その場合は永久歯がきれいに並ぶスペースが不足して、将来、歯並びが凸凹になるリスクがあります。
歯並びだけでなく咬み合わせにも影響を及ぼしますので、生え変わりが遅く気になる場合や抜けない乳歯がある場合は、一度歯医者に相談した方が良いでしょう。
歯医者ではレントゲン撮影をすることで、乳歯の状態や永久歯の成長具合を確認することができますので、定期的な検診を受けたり、早めに歯科医に相談しておくと安心です。
要注意!早めに歯科医に相談した方がよいケース
ここからは、早めに歯科医に相談した方がよい例を見ていきましょう。
先天性欠如
稀なケースではありますが、生まれつき永久歯が生えてこない「先天性欠如」と呼ばれる症例があり、この場合は永久歯が生えてこないので、乳歯が抜け落ちることがありません。
永久歯が欠如する位置は中央の前歯から2番目の側切歯、5番目の第二小臼歯で起こる割合が高く、この場合は乳歯を抜かずに永久歯の代わりとして使うことがあります。
しかし、乳歯はいずれ抜け落ちる前提で生えてくるものですから、永久歯のように一生使えるほど頑丈ではなく、自然と抜けてしまうこともあるので、早期に外科処置が必要になります。
先天的に永久歯の数が少ないお子様の場合、歯科医院にてレントゲン写真をとって症状を確認し、欠如している歯を補うためにブリッジやインプラントなどの欠損治療を行います。
埋伏歯(まいふくし)
永久歯はあるものの、永久歯が顎の骨やその周りの粘膜に埋まった状態のまま、外に生えてくることができない歯のことを「埋伏歯(まいふくし)」といいます。
第三大臼歯(親知らず)も埋伏歯の一つですが、周囲の歯に悪影響がないケースでは、埋伏歯はそのままにすることもあります。
ただし、永久歯が顎の骨や歯茎に埋まったまま生えてこなければ、乳歯の根っこが溶けずに、乳歯が抜け落ちませんので、歯並びや咬み合わせに問題が起こる可能性があります。
歯並びや咬み合わせを改善するには、歯科医院に相談して、埋伏歯が生えてくるように外科手術による治療が必要です。
過剰歯(かじょうし)
一般的に乳歯は20本、永久歯は28〜32本生えてきますが、何らかの原因によって通常よりも多く生えてきた歯のことを「過剰歯(かじょうし)」といいます。
通常の歯の本数よりも多く生えてきた場合、本来生えてくるはずの永久歯が適切な場所に出てくることができず、歯並びが悪くなる可能性があります。
過剰歯(かじょうし)がある場合、歯科医院で乳歯を抜歯する処置と永久歯の位置を調整する治療を行いますが、症状によっては経過を観察するケースもあります。
子供の歯の生え変わりが遅いかな…と思ったら歯科医に相談しましょう
一般的に乳歯がグラグラし始めたら、永久歯が出てくるまで3〜10ヶ月程度かかります。
親御様は歯の生え変わりが遅いと不安になるかもしれませんが、無理に引き抜いたり、強い力で揺らしたりすると、折れるリスクがありますのでNGです。
なかなか乳歯が抜けない場合は、将来的に歯並びと咬み合わせが悪くなる可能性もありますので、早い段階でお近くの歯科医に乳歯が抜けない原因を相談すると良いでしょう。
歯科医に相談してレントゲン撮影をすることで、永久歯の状態を確認することができますので、まずは歯科医に相談することをおすすめします。
子供の歯の生え変わりのご相談は「ABC Dental」へお気軽にどうぞ
乳歯と永久歯が混在している時期は「混合歯列期」といい、歯が生え変わる時期は永久歯の歯並びをきれいに整えるためにも大変重要な時期です。
顎の大きさが小さいために永久歯の歯並びがガタガタになる症例も多くありますので、必要に応じて成長を利用した小児矯正の治療を検討されるとよいでしょう。
乳歯が抜けない、将来の歯並びが心配という方は、お子様と一緒に大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「ABC Dental」へお気軽にご相談ください。
まとめ
乳歯が抜ける時期は個人差があり、中学生まで歯が生え変わらないケースもありますが、生え変わりが遅くても基本的には落ち着いて経過観察をしていきましょう。
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