子供は生まれた時は鼻呼吸!いつから口呼吸になるの?

「子供が鼻呼吸から口呼吸になってしまう原因と改善法について小児歯科医が解説していきます。」

みなさん、こんにちは!

東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「abc dental」の院長です。

現代の多くの子供たちは、様々な理由で口の機能が十分に発達せず、いつのまにか口呼吸になって、お口がポカンと開いてしまうケースが多いのをご存じでしょうか?

生まれたばかりの赤ちゃんは皆、鼻呼吸をしていますが、無意識のうちに口呼吸となり、そのまま放置すると、歯並び悪化や口腔内環境の低下、顔の歪みにも繋がるので注意が必要です。

この記事では、子供が鼻呼吸から口呼吸になってしまう原因と改善法について小児歯科医が解説していきますので、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。

▽先読み!この記事で分かること

・口を閉じる力(口唇閉鎖力)が弱い

・舌や口腔内の筋肉が十分に発達していない

・日常生活にも支障をきたすようになる

・専門医を受診して原因に合わせた治療が必要

ご質問:子供はなぜ口呼吸になってしまうの?

ご質問をいただきました。

ご質問者様:5歳の息子さんのお母様

息子はお口を閉じられずに、常に口がポカーンと開いた状態です。口呼吸になっているので、体内に細菌やウィルスが入って風邪を引きやすくなると聞いて心配です。

ちゃんと口を閉じて鼻呼吸できるように改善させたいのですが、どうやって直せばいいですか?口呼吸になってしまった原因も知りたいです。ご回答よろしくお願いします。

回答:主に舌や口腔内の筋肉が十分に発達していないことが原因です

質問に回答します。

近年は、口呼吸になってしまうお子様の割合が増えています。

小児歯科雑誌によるデータ「小児の口呼吸に関する実態調査」によれば、日本の子供たちの約30%は口呼吸になっている、お口がポカンと開いた状態になっていると判明しています。

わずかに口が開いているお子様も含めると、約70%を超えるというデータもあり、日本の子供たちの口呼吸の割合は増えていると分かります。

実は、人間は生まれたばかりの頃、誰でもいつでも、鼻呼吸をしています。お母さんのおっぱいを吸うことも、鼻呼吸をしているからできることです。

しかし、顎骨の形や歯並びが原因でうまく口が閉じられないケースお口周りの筋肉が十分に発達せず、口を閉じる力(口唇閉鎖力)が弱い場合、口呼吸になってしまうのです。

その他にも、アレルギー性鼻炎をお持ちのお子様、風邪を引いたときも鼻が詰まって苦しいので口呼吸になってしまいます。

口呼吸が習慣になると、お口がポカンと開いて見た目が気になったり、舌の位置が下がって歯並びが悪くなるリスクもありますので、早いうちに鼻呼吸に改善することが大切です。

口呼吸から鼻呼吸に改善するには、食べ物をよく噛んで口周りの筋肉の成長・発達を促したり、骨格的な問題があれば早期に矯正治療をすることで同時に歯並び改善も期待できます。


参照:小児の口呼吸に関する実態調査

子供が口呼吸になっている?チェックリスト

お子様が口呼吸になっていないか、簡単にチェックしてみましょう。以下に一つでも当てはまっている場合は、口呼吸の可能性がありますので、鼻呼吸への改善が必要です。

▽口呼吸のチェックリスト

・テレビを見ている時に口がポカンと開いている

・寝ている時にいつも口が開いている

・舌が前に出ている

・上唇だけがカサカサ乾燥している

・上唇は厚みがあり、白い

・発音が不明瞭、滑舌が悪い

気になる場合は、耳鼻咽喉科や小児歯科へ相談されることをおすすめします。

子供が口呼吸になってしまう3つの原因

生まれたときは鼻呼吸をしていますが、口呼吸に変わってしまう原因は主に3つです。

①口腔機能が発育・発達する食事ができていない

日本では一般的に1歳前後に離乳食を始めますが、その時に子供が食べやすいように柔らかくとろとろに野菜を煮込んだり、小さくカットした状態で食べることがほとんどです。

確かに柔らかく小さい食材は幼児にとって食べやすいですが、子供の口腔機能を適切に発育・発達させるには、ある程度大きく固い食材を前歯で噛み切ったり、よく噛むことが大切です。

ところが、離乳食で小さく柔らかいものを食べて、成長した後もカレーライスやオムライス、ハンバーグやうどんといった柔らかい好物を食べ続けることが多くなります。

大きくてかたい食材を避けることで、よく噛む回数が減り、子供の舌や頬、顎など口腔内の筋肉が十分に発達せず、自然と口呼吸になってしまうケースがあります。

②上顎前突(出っ歯)の場合

上の顎骨が前面に出ている上顎前突(出っ歯)の症状があるお子様は、普通に唇を閉じることが難しく、口が開いたままになり、口呼吸になってしまうので注意が必要です。

骨格的に上顎の幅が狭く、舌を正しい位置に収めることができない場合、舌の位置が下がってしまう「低位舌(ていいぜつ)」になり、その結果、口呼吸やお口ポカンになりやすいです。

この場合、小児歯科で口の中の状態を診てもらい、マウスピース矯正やプレート(拡大床)などによって上顎前突(出っ歯)を改善すると同時に鼻呼吸への改善に繋げます。

③風邪・鼻づまり・アレルギー性鼻炎など

風邪・鼻づまり・アレルギー性鼻炎などが原因で口呼吸になっている場合は、口で呼吸するのが習慣になってしまいますので、早めに耳鼻咽喉科で診てもらうことが大切です。

口呼吸のままでは、細菌やウイルスを含んだ空気がそのまま体内に入り、風邪や感染症にかかりやすくなるので、早めに症状を改善して鼻呼吸へ変える必要があります。

鼻づまり・アレルギー性鼻炎が改善されて鼻呼吸ができるようになると、体に取り込まれた空気は鼻気道を通り、細菌・ウィルス・異物の除去されて風邪を予防できるのです。

子供の口呼吸は放っておけない3つのリス

ここからは、子供の口呼吸は放っておけない3つのリスクを解説します。

①歯並びに影響する

口呼吸になると、舌の位置を正しい場所(舌が上あご全体にピタリと当たっている状態)にならず、通常の位置よりもだらんと下がってしまうため、上下の顎バランスが悪くなります。

「上顎前突(出っ歯)」になったり、歯がガタガタになる「叢生(そうせい)」、上の前歯と下の前歯の間にすき間が生じる「開咬(かいこう)」といった不正咬合になる可能性があります

②顔のゆがみ

口呼吸は舌の位置が下がって、お口がぽかんと開いてしまうため、顔つきがぼーっとしているように見えたり、顔全体がゆがんでしまうリスクもあります。

口の周りの筋力が低下すると、メリハリがなくぼんやりした表情になるため、お子様が成長した時に見た目のコンプレックスを抱えるリスクもあるでしょう。

③虫歯や歯周病になりやすい

口呼吸が習慣になると、口の中が乾燥するため、唾液の殺菌効果が弱まり、口の中で細菌が繁殖して口臭の原因になったり、むし歯や歯肉炎の原因にもなります。

子供の口呼吸を鼻呼吸へ改善するには?

お子様の口呼吸を放置していると、勉強やスポーツに集中できず、日常生活にも支障をきたすようになるため、原因を突き止めて早めに治療を受けることが大切です。

専門医を受診する

常に鼻が詰まっている、風邪を引きやすい、アレルギー性鼻炎などがある場合は、耳鼻咽喉科などの専門医を受診して、口呼吸になった根本的な症状を改善する必要があります。

鼻づまり、風邪やアレルギー性鼻炎の症状がなく、歯並びや噛み合わせが気になる場合は、小児歯科を受診して、不正咬合や顎の成長具合を診てもらうと良いでしょう。

日常生活の見直し

子供の口呼吸は、食生活、姿勢などの日常生活の習慣が影響していることがあります。

日頃から柔らかいものばかりを食べている場合、口周りの筋肉と口腔内機能が十分に発達・成長しませんので、固いものや大きくカットした食材を増やして噛む回数を増やしましょう

また、猫背になっているお子様は肺への空気の通り道が狭くなり、顎が前に突き出て口呼吸になりやすいので、食事の時も床に足をつけて常に背筋をのばすように意識するとよいです。

子供が口呼吸かなと思ったら「ABC Dental」へお気軽にご相談ください

子供が口呼吸になってしまうのは主に3つの原因が考えられますが、本人は無意識にやっているため、そのまま放置しても自然に治ることはほとんどありません。

まずは、専門医を受診して原因に沿ったアプローチで治療を受けて、自然と鼻呼吸できるような環境を整えてあげる必要があります

大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「abc dental」ではお子様の口呼吸のお悩み、歯並びや噛み合わせの診断を行っております。無料カウンセリングをご利用くださいませ。

まとめ

子供の口呼吸はメリットがなく、口腔内や体へ影響する可能性があり、歯並びや顔つきも変わってくるため、早めに鼻呼吸へ改善することが推奨されます。

当院では小さなお子様がマウスピース矯正を楽しんで取り組んでいただけるように、明るく通いやすい環境を完備しておりますので、まずはお気軽にご相談くださいませ。

東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。

イラストで解説まとめ!!

Index