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「ガミースマイルは笑顔のコンプレックスになったり、歯並びや口腔衛生にも悪影響を与えることがあります。子供がガミースマイルになる原因、放置するデメリット、小児矯正での治療法について小児歯科医が詳しく解説していきましょう。」
みなさん、こんにちは!
東京都大田区田園調布にある「ABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科」の院長です。
子供が笑った時に、歯茎がすごく見えてしまう「ガミースマイル」にお悩みではありませんか?
ガミースマイルは子供の頃は可愛らしい印象ではありますが、成長して大人になると、ご本人がコンプレックスになったり、歯並びや口腔衛生にも悪影響を与えることがあります。
この記事では、子供がガミースマイルになる原因、放置するデメリット、小児矯正での治療法について小児歯科医が詳しく解説していきましょう。
▽先読み!この記事で分かること
・子供のガミースマイルは矯正で改善できるケースがある
・自然治癒は期待できない
・原因は複数の要因が絡み合う
・治療開始の適齢は小学校低学年(6〜8歳くらい)
ご質問:子供のガミースマイルは小児矯正で改善する?
ご質問をいただきました。
ご質問者様:3歳の娘さんのお母様
娘は笑うと歯茎がすごく見えてしまうので、見た目的に気になっています。
ガミー スマイルという名前だそうですが、この症状はマウスピースを使った矯正で治すことができますか?
あと、矯正するなら、大人になってから治したほうがいいのか、それとも早めに小児矯正をしたほうがいいのか教えていただきたいです。よろしくお願いします。
回答:小児矯正で改善できるケースがある
質問に回答します。
笑った時に上の前歯の歯茎が3~4mmくらい露出する状態のことを「ガミースマイル(gummy smile)」といい、歯茎(gum)が目立つ口元(gummy)が語源です。
子供のうちは本人は特に気にせず、周りから見ても可愛らしく、チャームポイントになることがありますが、大人になると見た目を気にされて思い切り笑えないと悩まれる方が多いです。
子供がガミースマイルになる原因はいくつかありますが、骨格的な問題でなければ、小児矯正のマウスピース矯正治療で改善できるケースがあります。
大人になってからでも矯正することは可能ですが、子供の顎骨や口周りの筋肉が柔らかく、成長段階にある時に小児矯正をした方が根本的な改善に繋がります。
例えば、上顎の骨が下顎よりも発達し過ぎている場合、将来、上顎を切除する手術が必要になりますが、小児矯正であれば成長を利用して治療できるため、早期治療がおすすめです。
ガミースマイルを放置した場合、見た目の問題だけでなく、大人になってから歯並び悪化や虫歯や歯周病になりやすい口腔衛生になりやすいので、早めに改善しておくと良いでしょう。
ガミースマイルはどうしても自力で治すことは難しいといえますので、将来のお口元が気になる場合は小児矯正を検討してみる価値はあります。
子供のガミー スマイルは自然に治る?
子供のガミースマイルは永久歯に生え変わる時に気にならなくなることがありますが、成長とともに自然に治ることは期待できません。
自分で治すことも難しいため、大人になった時の笑顔が気になる方は、ガミースマイルになった原因を突き止めて、適切な治療を受ける必要があります。
ガミー スマイルは遺伝するの?
ご両親やいずれかがガミースマイルの場合、親子で骨格や歯が並ぶ土台が似てくるため、お子様もガミースマイルとなり、遺伝することがあります。
ガミースマイルは生まれつきや遺伝的な要因だけでなるのではなく、歯茎や唇の発達状態、歯の生え方などの複数の要因が絡んで起こりますので、原因を知っておくことが大切です。
子供がガミー スマイルになる5つの原因
子供がガミースマイルになる原因は先天的な要因と後天的な要因があります。お子様によってそれぞれ原因は異なり、適切な治療法が変わってきますのでチェックしていきましょう。
①歯茎が過度に発達している
歯茎が過剰に発達すると歯茎が大きくなって、一般的な歯茎の位置よりも下がります。笑った時に歯茎が見える面積が増えてしまいます。
歯茎に問題がある場合は、小児矯正や歯茎の位置を引き上げる歯科治療によって改善します。
②上唇を引き上げる筋肉が過剰に働いている
笑った時に上唇を引き上げる上唇挙筋と呼ばれる筋肉が過度に発達して、過剰に働いている場合、唇が思い切り上に引き上げられて、歯茎が見えてしまいます。
上唇の発達に問題がある場合は、小児矯正歯科で口周りのトレーニングを行い、筋肉のバランスを整えることで改善する方法があります。
③歯の生え方に問題がある
歯の生え方に問題がある場合、歯が生えている位置が低い場合、歯茎に覆われてガミースマイルになりやすいです。
子供が指しゃぶりの習慣や舌で歯を押し出す癖がある場合、出っ歯になって、結果的にガミースマイルになることがあります。この場合、マウスピース矯正によって治療可能です。
④歯が小さい、歯が短い
歯が小さい、もしくは歯が短い場合、歯茎が被さってしまい、歯茎が見える範囲が多くなります。小児矯正や歯茎の位置を上げる治療法によって改善します。
⑤骨格に問題がある
上顎の骨が下顎より大きく発達した場合、上の前歯を支える骨が厚いために歯茎が目立ってきます。
骨格的な問題がある場合は将来、形成外科・美容外科などで上顎を切除する外科手術が必要になりますので、子供のうちにヘッドギアなどで根本的な問題解決できる治療がおすすめです。
子供のガミー スマイルをそのまま放置する3つのリスク
ここからは「放置した場合どうなるか?」についてみていきましょう。
笑顔に自信が持てない
笑うと歯茎が見えてしまうので、恥ずかしくなって口元を手で隠したり、顔にコンプレックスを抱える可能性があります。対人関係にも影響を及ぼすでしょう。
口腔衛生が悪くなる
上の歯に唇が被さらないためにお口の中が乾燥しやすく、口が自然に閉じにくくなって口呼吸の原因にもなります。口腔内が乾燥して細菌や雑菌が繁殖し、口臭や歯周病リスクも高まります。
歯並びが悪くなる
上顎が下方向に成長して、下顎の成長が抑えられると歯列が乱れて、出っ歯や噛み合わせが深すぎる過蓋咬合(かがいこうごう)といった不正咬合の原因となります。
子供のガミー スマイルは小児矯正で改善できる?
笑うと歯茎が多く見えてしまう「ガミースマイル」。この症状は、小児矯正の治療を通じて改善が期待できる場合があります。特に、成長期を活用した小児矯正は、歯並びや噛み合わせを整えるだけでなく、ガミースマイルの原因となる骨格や筋肉の成長を適切に導く効果が期待できます。
「子供のうちはまだ本人が気にしていないし、矯正は大人になってからでもいいのでは?」と思われる親御様もいらっしゃるかもしれません。
確かに、大人になってからでも治療を受けることは可能です。しかし、小児矯正は成長期を活かして、歯が生える土台作りや骨格の矯正を行える点が大きなメリットです。これは、成長期特有の治療効果であり、成人矯正では得られないものです。
小児矯正の特徴:成長を活かした治療アプローチ
▽小児矯正と成人矯正には、以下のような違いがあります:
小児矯正:成長期の顎や骨格の発達を活かし、歯並びや顎の成長を正しい方向に導きます。これにより、きれいな歯並びの土台を作ると同時に、ガミースマイルの原因にアプローチできます。
成人矯正:成長が完了した後、直接歯を動かして歯並びを調整する治療法です。
小児矯正は骨格や顎の成長を活用できるため、歯並びや噛み合わせの問題を根本から改善する効果が期待できます。一方で、成人矯正は主に歯を動かして治療することがメインとなるため、ガミースマイルを改善するには外科的な処置が必要になるケースが多いです。
小児矯正がガミースマイルに与える影響
小児矯正では以下のような改善が可能です:
- 唇や歯の位置の調整
- 噛み合わせや筋肉のバランスの整備
- 上下の顎の成長を適切な方向に誘導
ガミースマイルの改善を目指すことができますが、子どもの時からの「MFT(口腔筋機能療法)」を活用した歯列矯正は「美容整形のように見た目を完全に変えるもの」ではありません。むしろ、歯並びや噛み合わせの改善を含めた根本的な治療として考えるべきです。これは、子どもの成長に合わせた総合的なアプローチによって実現されます。
小児矯正のメリット
小児矯正には次のようなメリットがあります:
- 成長期を活用することで、成人になってからの治療よりも将来的に外科的処置が必要になるリスクを最小限に抑えられる
- 外科的な処置がない分、お子さまの治療負担を最小限にすることができる
適切なタイミングで治療を行うことで、将来的な選択肢を広げるとともに、治療負担を軽減することができます。
治療しない場合のリスクと治療後の期待
ガミースマイルをそのまま放置した場合、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや発音への影響が出ることもあります。一方、小児矯正によってガミースマイルの原因にアプローチすることで、笑顔に自信が持てるだけでなく、歯や顎全体の健康を保つことが可能になります。
「ガミースマイルのみを治したい」と考えている方へ
ガミースマイルを完全に治すためには、子どもの時からの「MFT(口腔筋機能療法)」を活用した歯列矯正だけでなく成長後の外科的処置を視野に入れる必要がある場合もあります。しかし、低年齢からの治療はガミースマイルの原因にアプローチし、その成長方向を正しい方向へ導くことができます。そのため、なるべく早いタイミングで一度お子様のお口の中を専門の医師に確認してもらうことが大切です。
子供のガミー スマイルを改善する3つの治療法
ここからは、改善するのための代表的な3つの治療法についてみていきましょう。
①マウスピース矯正
上の歯が下の歯に覆いかぶさり、噛み合わせが深すぎる「過蓋咬合(かがいこうごう)・ディープバイト」と呼ばれる症状が原因の場合、歯列矯正をしながら改善します。
歯の生え方に問題がある場合はマウスピース矯正(インビザライン)の矯正治療によって改善します。
②MFT(口腔筋機能療法)
子供のガミースマイルは骨格や歯の生え方などの遺伝的な要因と上顎骨が過剰に発達するといった後天的な要因が絡み合って起こります。
MFT(口腔筋機能療法)はトレーニングによって舌や唇を正しい位置に改善し、指しゃぶりの癖や舌の動きを治すことで、成長発育をコントロールし、症状の改善にも効果が期待できます。
③ヘッドギアによる矯正
小児用のヘッドギアと呼ばれる矯正装置を使って、上顎を後ろ方向へ引っ張り、上顎骨の過度な成長を抑えて下顎とのバランスを整えます。特に出っ歯の不正咬合が見られる場合に効果的です。
子供のガミースマイル治療開始の適齢は?
原因はお子様ごとそれぞれ異なりますので、まずは歯科医院に相談し、診断を受けて、医師から原因と適切な治療法の説明を受けることが大切です。
治療方法によって適齢に差がありますが、小児矯正治療は上顎の成長を利用できる時期に治療を開始すると効果が期待できます。
子供のガミースマイルのご相談は「ABC Dental」へお気軽にどうぞ
子供のガミースマイルはそのまま放っておいても自然に治ることはなく、小児矯正で骨格や筋肉の発達を正しい方向へ促すことで早期に症状を解決することが可能です。
マウスピース矯正(口腔筋機能療法)でも改善が見込める可能性がありますので、まずはお近くの矯正歯科医院へ相談されることをおすすめします。
子供が笑った時に歯茎が気になったら、大田区田園調布の小児矯正専門歯科医院「ABC Dental」の初回無料カウセリングをぜひご利用ください。
当院では、幼児からのお子様を対象に顎骨や筋肉の発育をコントロールする様々な治療法をご提案させていただきます。