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お子様に八重歯が生えてきたら、どう対処すればよいでしょうか?生え始めの対処法と歯科医院での治療法について小児歯科医が解説します。
みなさん、こんにちは!
東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「ABC Dental」の院長です。
お子様の上の歯を見ると、八重歯が歯茎の上の方から生えてきて、びっくりされる親御様がいらっしゃいます。
日本では、八重歯はチャームポイントとして可愛らしい印象がありますが、口腔機能の面でいえば、前歯で噛み切るのが難しく、唇を噛みやすいといったリスクが起こりえます。
もし、お子様に八重歯が生えてきたら、どう対処すればよいでしょうか?生え始めの対処法と歯科医院での治療法について小児歯科医が解説します。
▽先読み!この記事で分かること
・歯列が乱れる可能性がある
・口腔内機能が低下する
・上顎の成長・発育は5歳~7歳頃がピーク
・適切な治療開始年齢は6歳~9歳頃
ご質問:八重歯が変な位置から生えてきました!コレって正常ですか?
ご質問をいただきました。
ご質問者様:9歳の娘さんのお母様
娘の前歯を見ると、八重歯が歯茎の上の方から生えてきて、だんだん目立ち始めました。このままだとどんな問題が起こりますか?八重歯の状態は正常ですか?
まだ八重歯が生え始めた段階ですが、できることがあれば教えてください。よろしくお願いします。
回答:八重歯は叢生(そうせい)と呼ばれる不正咬合の一種です
質問に回答します。
上顎の犬歯が歯茎の上の方から生えてきたのですね。
一般的に「八重歯」といわれますが、正式には歯並びがガタガタ、デコボコに不揃いに生えてくる「叢生(そうせい)」・「乱杭歯(らんぐいば)」と呼ばれる不正咬合の一種です。
お子様の上顎の犬歯が歯茎の外側から生えてくることは正常な成長・発育の現象ですが、お口の中で歯がきちんと並ぶスペースがない場合、歯並び悪化に繋がるため注意が必要です。
八重歯が生え始めても、お口の中に十分なスペースがあれば歯が正常な位置に並びますが、顎骨が小さく歯が大きい場合は、全体的な歯列が乱れる可能性があります。
歯並びがガタガタに生える「叢生」の症状は子供に最も多い不正咬合の一つと言われており、歯の生え変わり時期に叢生になるケースが多くみられます。
八重歯は見た目は可愛らしい印象ですが、歯磨きがしにくいため、虫歯や歯周病リスクが高まり、口を閉じにくい、唇を噛みやすいなど、口腔内機能が低下するため要注意です。
お子様の将来の歯並びが気になる場合は、一度歯並びの状態を歯科医院に診てもらうことをおすすめします。
子供の八重歯・叢生の症状とは?
▽子供の八重歯はこのような症状です。
・乳歯の根っこの位置あたりから永久歯が生えてくる
・前歯が重なって生えてくる
・前歯がデコボコしている
歯のガタガタ、デコボコした歯列の症状は、正式には「叢生(そうせい)」・「乱杭歯(らんぐいば)」と呼ばれる不正咬合です。八重歯も叢生の一種になります。
歯が根っこの上から永久歯が生えてくることは問題ありませんが、歯がきれいに並ぶスペースが十分にない場合、歯列全体がガタガタ、ボコボコになる可能性があります。
上記の状態を八重歯と呼ぶことがあります。歯が生える位置が気になる場合は、一度歯科医院に相談して診てもらいましょう。
子供の八重歯・叢生になる5つの原因
子供に八重歯が生えてくる、叢生になる原因は以下の5つが考えられます。
①顎の骨(歯の土台)が小さい
遺伝的に顎骨が小さい場合、歯が生える土台が狭くなりますので、歯がきちんと並びきれず、歯並びが重なり合って生えてきて、結果的に歯列がデコボコ、ガタガタになってしまいます。
②顎骨のスペースが少なく、歯のサイズが大きい
先天的要因として、小さな顎に対して歯が大きい場合、歯が正常な位置に生えるスペースが足りず、重なり合って生えてきて、八重歯や叢生の不正咬合の原因となります。
③虫歯によって乳歯を早期に喪失し、歯が移動した
乳歯が虫歯になって早期に失った場合、もしくは早期に乳歯を抜歯した場合、残った歯が移動して歯列が乱れることがあります。
④噛み合わせが悪い
乳歯から永久歯へ生え変わる時期に噛み合わせも変わっていきます。
遺伝的・骨格的な要因、もしくは後天的な生活習慣によって噛み合わせが悪くなると、上下の顎バランスが悪くなり、歯列の乱れが生じる可能性が高くなります。
⑤指しゃぶり・舌を押し出す癖・口呼吸の癖がある
指しゃぶりや舌で歯を押し出す癖、口呼吸の習慣がある場合、正常な顎骨の成長を阻害することになり、顎骨の発育不足によって歯並びがガタガタになってしまいます。
八重歯は自然に治る?生え始めの対処法
子供に八重歯が生えてきたら、成長と共に自然に治るのでしょうか?
顎骨が大きく、歯がきれいに並ぶスペースがあれば、通常の歯列になることがありますが、顎骨が小さい場合は八重歯が自然に治ることはありません。
近年の子供は食生活が柔らかいものを食べる機会が多く、顎骨が小さくなっている傾向にあり、歯がきちんと並ぶスペースが足りず、歯がデコボコになって生えてきてしまうのです。
八重歯が生え始めたら、日頃の食生活を見直して、固いものをよく噛んで、噛む回数を増やし、顎の成長と発育を促すように心がけることが大切です。
子供の八重歯・叢生の治療法
子供の八重歯・叢生を治療するには、歯科医院にてマウスピース矯正装置を使った矯正治療を受けて、永久歯が正常に生えてくるためのスペースを確保する治療法が検討されます。
▽マウスピース矯正治療の特徴
・透明で薄いマウスピースなので目立たない
・通常通りに日常生活を送れる
・食事や歯磨きの時に自分で取り外しできる
・歯を抜かずに矯正できる可能性が高い
・治療期間は約6か月~2年半
・保険適用外、治療費は60万〜100万円程度
マウスピース矯正装置を使うと顎骨が広くなり、上下の顎バランスを整えることができ、同時にお口周りの筋肉を鍛えながら、顎骨の成長を阻害する癖を改善することができます。
上顎の成長・発育は5歳~7歳頃がピークとなり、12歳頃にほぼ成長が終わりますので、なるべく早い時期に矯正治療をすることで、将来的にきれいな歯列になるように誘導することができます。
大人になってから八重歯・叢生の矯正治療を受ける場合、永久歯(第一小臼歯)を抜歯する可能性が高く、顎骨が柔らかい時期よりも治療期間も長くなる傾向にあります。
お子様の八重歯・叢生が気になる方は、一度歯科医院に相談し、診察を受けて、どんな治療方法があるか説明を受けるとよいでしょう。
子供の八重歯・叢生を放置するリスク
子供の八重歯・叢生をそのままの状態にしていると、以下のようなリスクが起こりえます。
・虫歯になりやすい
・唇を噛んでしまう
・上下の噛み合わせが悪くなる
・前歯で食べ物がよく噛め切れない
・咀嚼効率の低下
・消化器官に負担がかかる
・顎関節症リスクを高める
・発音が不明瞭になることがある
・見た目のコンプレックス
八重歯は「犬歯」や「糸切り歯」と呼ばれるように、歯の根が長くてとても丈夫な歯です。
隣の歯がぶつかり合うダメージを抑えたり、食べ物を噛み切って小さくするなど、大事な機能を果たしますが、八重歯の場合はその機能性が低下して、奥歯に負担がかかってしまいます。
子供の八重歯・叢生は口腔内機能が低下し、消化機能など体への影響も考えられますので、お口と健康のためにも早めの改善が推奨されます。
子供の八重歯・叢生に適した治療開始の年齢は?
個人差はありますが、一般的に上顎の成長・発育は5歳~7歳頃がピークとなりますので、八重歯や叢生の症状がある場合、6歳~9歳頃までに矯正治療を受けることが推奨されます。
乳歯から永久歯へと生え変わる時期は「混合歯列期」といい、この時期に矯正治療を始めることで、顎骨の成長を利用しながら歯列を広げてあげることが可能です。
子供の顎骨は柔らかく、成長をコントロールしやすいので、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保することができます。
矯正中の注意点としては、生えてきたばかりの永久歯は虫歯になりやすく、症状の進行が早いため、お子様自身が毎日のブラッシングやお口のケアを継続することが大切です。
子供の八重歯・叢生・歯並び相談は「ABC Dental」へお気軽にどうぞ
大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「ABC Dental」では、乳歯の時期からマウスピース矯正によって不正咬合の症状と噛み合わせを改善する治療を行っております。
顎骨の成長・発達を阻害する舌の癖や口呼吸などを改善する筋機能療法を取り入れて、根本的な問題からキレイな歯並びになるようにアプローチした治療をご提案いたします。
実績豊富な小児歯科医が丁寧なカウンセリングと診査・診断を行い、一人ひとりの症状とご要望に合わせた矯正治療をご説明いたします。
まとめ
お子様の歯並びが気になる方は、お子様と一緒に大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「ABC Dental」にお越しいただき、小児矯正の無料カウンセリングをご利用くださいませ。
東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。