風船を膨らますことができない子どもたち!?筋肉の発達不足の影響とは

歯科医師監修イラスト解説

子供が風船を膨らます_1_子供の風船膨らませ困難を説明するイラスト。子どもたちが健康な口腔機能を育む遊びや治療法をイラストで解説
子供が風船を膨らます_2_子供の風船膨らませ困難を説明するイラスト。子どもたちが健康な口腔機能を育む遊びや治療法をイラストで解説
子供が風船を膨らます_3_子供の風船膨らませ困難を説明するイラスト。子どもたちが健康な口腔機能を育む遊びや治療法をイラストで解説
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子供が風船を膨らます_5_子供の風船膨らませ困難を説明するイラスト。子どもたちが健康な口腔機能を育む遊びや治療法をイラストで解説
子供が風船を膨らます_6_子供の風船膨らませ困難を説明するイラスト。子どもたちが健康な口腔機能を育む遊びや治療法をイラストで解説
子供が風船を膨らます_7_子供の風船膨らませ困難を説明するイラスト。子どもたちが健康な口腔機能を育む遊びや治療法をイラストで解説
子供が風船を膨らます_8_子供の風船膨らませ困難を説明するイラスト。子どもたちが健康な口腔機能を育む遊びや治療法をイラストで解説

専門家による詳細ガイド

風船を膨らますことができない子供が増えている原因と口腔筋肉の発達不足とその影響について解説していきます。

みなさん、こんにちは!

東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「ABC Dental」の院長です。

近年、風船を膨らませることができない子供たちが増えているのをご存じですか?

昭和の子供たちは、よく風船をプーンと大きく膨らませて遊んでいましたが、令和の現代っ子は遊びの種類が多様化したため、あまり風船遊びをしなくなりました。

幼児の食事は柔らかいものが多くなり、現代の子供たちはますますお口周りの筋肉(口輪筋)が発達不足になっている傾向にあります。

そこで本記事では、風船を膨らますことができない子供が増えている原因と口腔筋肉の発達不足とその影響について解説していきます。

▽先読み!この記事で分かること

・口腔筋肉の発達不足が原因

・口腔機能発達不全症が増えている

・口腔筋肉を鍛える遊びを取り入れよう

・口腔筋肉を発達させるマウスピース治療

ご質問:風船を膨らますことができない原因は何ですか?

ご質問をいただきました。

ご質問者様:5歳の娘さんのお母様

5歳の娘の口腔機能について質問です。

レストランのお子様セットに風船が付いていて、6歳の息子と5歳の娘が風船遊びを始めました。息子は風船を大きくなるまで膨らませることができました。

しかし、5歳の娘は頑張って膨らませようとしても大きくならずに泣き出してしまいました。

風船を上手く膨らませることができない原因は口腔機能と関係がありますか?

娘はいつも口がポカンと開いていて歯並びは出っ歯気味です。

何かアドバイスがあれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。

回答:口腔筋肉の発達不足が原因です

質問に回答します。

現代の子供たちは昔の子供たちと比べると風船を上手く膨らませることができません。

実際に当院で100名近くの子供たちに試してもらったところ、しっかり大きく膨らませることができたのは半数以下という結果になりました。

子供が風船を膨らむことができない理由は以下が挙げられます。

  • 遊びが多様化して風船遊びをしなくなった
  • 食事は柔らかく、小さくカットされた食べやすいものが多い
  • 鼻呼吸ができずに、口呼吸の習慣になっている
  • 舌で歯を押し出す癖がある 等

上記の理由によって、現代の子供は口周りにある筋肉(口輪筋)を使う機会が減り、筋肉の発達・成長不足となっているため、結果的に口腔内機能が低下している傾向にあるのです。

昔の子供たちは、風船遊びをしたり、硬い食べ物をよく噛むことで自然と口輪筋が発達し、口腔内機能が向上していましたが、状況が変わってきたといえます。

お子様のお口が常にポカンと開いていると口呼吸になっているため、風船を膨らませることが難しくなります。

口呼吸や舌で歯を押しだす癖があると口腔機能が低下して、出っ歯(上顎前突)の症状が目立ってくるため、早めに歯科医院で口腔内の検査を受けて相談されるとよいでしょう。

現代の子供たちに増加傾向!口腔機能発達不全症とは?

生まれつきの疾患といった問題がなくても、子供が成長の段階で口周り、顎などの筋肉が十分に発達・成長せず、食べる・話す・呼吸などの口腔機能が低下するケースが増えています。こういった症状を「口腔機能発達不全症」といいます。

現代の子供たちは、食事や遊びでお口周りの筋肉(口輪筋)を使う機会が急激に減っており、口腔の筋肉の発達・成長が不十分になっている傾向にあるのです。

以下に一つでも当てはまる場合は、「口腔機能発達不全症」の可能性があります。

▽お子様は大丈夫?チェックリスト

  • 風船を上手く膨らませることができない
  • 安静時にお口が常にポカンと開いている
  • 口呼吸をしている
  • 大きないびきをする
  • 歯並びが悪い
  • 3歳以上でも指しゃぶりの習慣がある
  • 舌を出す、舌で前歯を押す、唇を噛む・吸う癖がある

▽食事の様子をチェック

  • 食事で上唇や舌を上手に使うことができない
  • 上唇をうまく使って口に入れられない
  • 食べ物を吸い込むようにして口に入れる
  • スプーンに乗った食べ物をこぼす
  • 食べるとき、飲むときに舌が出る

どうでしたか?もし当てはまった場合は、一度歯科医院で口腔機能を診てもらいましょう。

口腔機能発達不全症の5つの影響とは?

子供が「口腔機能発達不全症」になるとどういった影響があるでしょうか?

お口の健康だけでなく、生活に様々な影響を及ぼします。

①歯並びが悪くなる

子供の口周りの筋肉や顎の骨はしっかり噛むことで筋肉の成長・発達が促されて、歯がきれいに並び、正常なかみ合わせになります。

しかし、柔らかい食べ物が中心の食事や口腔習癖などがある場合、顎骨が十分に成長せず、結果的に歯列が出っ歯、受け口、ガタガタなど乱れてしまう可能性があります。

②呼吸がしにくくなる

通常、人間は鼻呼吸をしており、吸った息は鼻腔を通じて暖かい空気が肺に入る仕組みです。

ところが、慢性的な鼻詰まりや歯並びによって口が閉じにくい、もしくは唇を閉じる力(口唇閉鎖力)が弱い場合、口呼吸になってしまいます。

口呼吸は空気の通り道である鼻腔や気道が狭くなるため、呼吸がしづらくなるので、早期に鼻呼吸へ改善する必要があります。

③食事が難しくなる

口腔機能が発達していれば、食べ物を口に運んで前歯で噛み切ったり、奥歯で咀嚼したり、舌で食べ物を丸め込んで飲み込むことができます。

しかし、口腔機能が十分に発達しなかった子供の場合、食事中にしっかり噛んで飲み込むといった一連の行為が難しくなり、くちゃくちゃ音がしたり、食べこぼすことが多くなります。

④発音しづらくなる

個人差はありますが、一般的に話す機能は6歳頃に完成しますが、口腔機能が十分に発達しなかった子供は特にカ行・サ行・タ行・ナ行・ラ行の発音が難しくなる傾向にあります。

⑤顔つきや姿勢への影響

口腔機能発達不全症は口腔機能が低下するだけにとどまらず、顎骨が横幅に広がらないために全体的に顔が長く、面長に見えてしまう可能性があります。

また、口呼吸によって鼻腔、気道が狭くなると頭が前に突き出た猫背の姿勢になりやすいので注意が必要です。

今日からできる!口腔筋肉を鍛える遊び7つをご紹介

ここからは、子供の口腔筋肉を鍛える遊び7つをご紹介しましょう。

※安全のため、必ず保護者の方と一緒に行ってください。

①風船を膨らませよう

舌と唇の筋肉を鍛えるトレーニングになります。風船は100円ショップで手に入れることができます。

②フーセンガムを膨らませよう

フーセンガムを噛むことは咀嚼回数を増やして、舌と唇の筋肉をしっかり使えるトレーニングになります。※飲み込まないように保護者様が見守ってください。

③あっぷっぷ遊び

「にらめっこしましょ!あっぷっぷ!」と親子で一緒に遊んでみてください。子どもは大人の表情を真似して、唇を尖らせたり、頬を膨らませたり、口周りのトレーニングになります。

④ラッパのおもちゃ

初めは舐めたり手で遊んだりしますが、1歳ぐらいになると唇を使ってプーっと音を出せるようになります。お口周りの筋肉を鍛えることができます。

⑤ろうそく消し

2・3歳くらいになったら、誕生日ケーキのろうそくをフーっと消してみましょう。思い切り吹かないとなかなか消えないので、良いトレーニングになります。

⑥フーフー冷まし

熱い飲みものやスープをフーフーと冷ますと唇の筋肉を鍛えるトレーニングになります。

⑦ブクブクうがい

歯磨きの後に、口に水を含ませてブクブクうがいをしましょう。初めは上唇、下唇、右頬、左頬と順番にやると効果的です。

子供の口腔筋肉を発達させるマウスピース治療「マイオブレース」

日常の遊びやトレーニングだけでは、子供の口腔機能を向上させることは難しい面もあるでしょう。そこで、子供専用のマウスピース治療「マイオブレース」をご紹介します。

「マイオブレース」は3歳から利用できる取り外し可能なマウスピース治療です。1日1時間と夜間就寝中に装着し、口腔筋肉を発達・成長を促し、歯並び悪化の予防・改善に繋がります。

▽マイオブレース・システムについて詳しくはコチラ!

Preventive Orthodontic Treatment – Myobrace

▽マウスピース治療「マイオブレース」の効果

・歯並び悪化になる口腔習癖(指しゃぶりや舌の癖など)を改善する

・顎骨の発達・成長を促す

・正しい舌の位置を覚える

・舌の使い方を覚える

・口呼吸から鼻呼吸へ改善する

・きれいな歯並びの土台を作る

▽「マイオブレース」の対象年齢

・治療に最適な年齢:3~9歳

▽「マイオブレース」の装着時間

・1日1~2時間と夜間就寝中に装着

▽「マイオブレース」の仕組み

「マイオブレース」は自然できれいな歯並びになるように、誤った口腔習癖を改善し、正しい舌の位置を覚えさせて、顎が適切な方向へ成長するまで導く治療法です。

「MFT(口腔筋機能療法)」と呼ばれるお口のトレーニングを併用することで口周りの筋肉を効果的に鍛えることができ、顎や歯並びの正しい成長を促します

従来のブラケット矯正のように痛みや違和感がなく、抜歯するリスクはほとんどなく、マウスピースの装着とお口のトレーニングによって自然な成長と発達を実現したシステムです。

顎が本来の大きさまで十分に発達するため、永久歯が生えてきたときに十分なスペースが確保されて、歯並び改善の根本的なアプローチが可能です。

子供の口腔機能・歯並びに関するご相談は「ABC Dental」へお気軽にどうぞ

現代の子供たちは食事の変化やスマートフォンやタブレットの使用時間が増加した環境下にあり、口腔機能発達不全症が増えています。

子供の口腔筋肉の発達不足や口腔機能の不全は普段の生活からは気が付かないことが多く、将来、噛み合わせの問題や歯列の乱れが起きるリスクがありますので注意が必要です。

生涯にわたって健康な口の土台作りを整えるためにも、子供のうちから顎や口腔の筋肉を十分に鍛えておくことが大変重要です。

当院のマウスピース治療では小児期(3歳〜9歳頃)にお口周りの筋肉が正しく機能するトレーニングを行い、口腔機能の向上と美しい歯並びの発育を促します。

お子様の歯並びが気になる方は、ぜひお子様と一緒に大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「ABC Dental」の無料カウンセリングをご利用くださいませ。

まとめ

風船を膨らますのが難しい、食事や発音がしにくいといった症状は口腔機能発達不全症の可能性があり、歯並び悪化や噛み合わせの異常が起こりえます。

口腔機能が低下すると集中力の低下や勉強や運動などのパフォーマンスに悪影響を与えることがあるため、気になる方はお早めに歯科医院に相談しましょう。

東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。

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