子供の乳歯生え変わり完全ガイド:抜ける前に知っておきたいこと

歯科医師監修イラスト解説

乳歯がぐらぐらしてきた_1_子供の乳歯が抜けない場合の対処法を示す教育的なイラスト
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専門家による詳細ガイド

乳歯がぐらついていると、子供は食べ物を噛みにくくなったり、歯磨きをする時に痛いことがあるので、正しい対処方法を知っておく必要があります。

みなさん、こんにちは!

東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「ABC Dental」の院長です。

子供の乳歯がグラグラと揺れ始めてから、自然とポロリと抜け落ちればよいのですが、「抜けそうでなかなか抜けない…」とお困りの保護者様は多いのではないでしょうか。

乳歯がぐらついていると、子供は食べ物を噛みにくくなったり、歯磨きをする時に痛いことがあるので、正しい対処方法を知っておく必要があります。

そこで今回は、子供の歯の生え変わりに起こる乳歯のぐらつきの正しい対処法について解説していきますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

▽先読み!この記事で分かること

  • 乳歯を抜くタイミングは「生え変わり適齢期」
  • 無理に引き抜くのはNG
  • 歯科医院で抜いてもらうと安全

ご質問:乳歯がグラグラし始めました!引っ張って抜いても大丈夫?

ご質問をいただきました。

ご質問者様:5歳の娘さんのお母様

娘の前歯がぐらぐら揺れています。抜けそうで抜けず、気にして触るので困っています。

このまま抜けなければ、自分で引っ張って抜いてもよいですか?それとも自然に抜けるのを待った方が良いですか?抜けない場合、歯医者さんに抜いてもらえますか?

回答:無理に引っ張るのはNG!自然に抜けない場合は歯医者で処置してもらいましょう

質問に回答します。

一般的に、5歳から6歳頃に子供の歯の生え変わりが始まります。乳歯がグラグラしてきて自然と抜け落ちれば問題ありません。

しかし、なかなか抜けないのが気になって、無理に揺らして引き抜いてしまうのはNGです。

永久歯が出てくるまでの間、周囲の歯が開いたスペースへ移動してしまい、歯並びが悪くなってしまう可能性が高くなるので、無理に引き抜くのはやめましょう。

そうはいっても、子供は揺れた歯で食べ物を噛みにくい、歯磨きの時に痛い、とにかく気になって歯を触ってしまうことがあるかもしれません。

揺れ始めた乳歯を抜くタイミングをご自身で見極めるのは難しく、すぐに抜いた方が良い場合と自然に抜けるのを待った方が良いケースがあります。

▽すぐに抜いた方が良い場合

  • 乳歯が永久歯が生えるスペースを邪魔している
  • まだ乳歯があるのに、横や後ろから永久歯が生えている(2枚歯になる可能性)
  • 別の場所から永久歯が生えてきてしまった

▽自然に抜けるのを待った方が良い場合

  • 永久歯の準備ができていない

乳歯が生え変わる時期は一人ひとりによって異なり、早ければ良いとか遅い方が良いといったことはなく、歯科医院でレントゲン撮影をしてもらい、適切な診断を受けることが大切です。

歯の生え変わり時期は歯並びに影響することがあるので、気になるようであれば、歯医者さんで診てもらい、必要であれば抜いてもらった方が良いです。

前歯の真ん中、上下4本が永久歯に生え変わった時、6歳前後に生えてくる歯(6歳臼歯)が生えた頃に、一度歯科医院に診てもらうことをおすすめします。

乳歯が永久歯に生え変わる仕組み

乳歯がグラグラ揺れ始めたからといってすぐ抜けるわけではなく、永久歯の根っこが出始めて乳歯の根っこがゆっくり溶け始めて抜けるまでに数か月かかることがあります。

①乳歯の下で、永久歯が成長する

②永久歯に根の部分が出てくる、乳歯の根を吸収する細胞が出てくる

③永久歯が乳歯の根を溶かしながら上に出てくる

④乳歯がグラグラして抜ける

乳歯を抜くタイミングは「生え変わり適齢期」

乳歯を抜くタイミングは「生え変わり適齢期」になります。

乳歯は全部で20本あり、歯がグラグラするたびに毎回歯医者に行って抜いてもらうのは大変ですから、乳歯を抜いてもよいタイミングについて知っておきましょう。

永久歯に生え変わる時期と順番

上下の顎の成長は子供一人ひとりによって個人差があり、乳歯が永久歯に生え変わる時期もそれぞれ異なります。

一般的な目安としては、乳歯は2歳半~3歳くらいまでに全て生え揃い、5歳~6歳ごろに永久歯への生え変わりが始まって、12歳くらいに全ての乳歯が抜けて永久歯に生え変わります。

歯が生え変わる順番はだいたい決まっていますので確認しておきましょう。

▽歯が抜ける平均年齢

【上の歯】

7歳~8歳頃|真ん中の前歯「乳中切歯」(1番目)

8歳~9歳頃|「乳切歯」の両隣にある「乳側切歯」(2番目)

11~12歳頃|前から3番目の「乳犬歯」(3番目)

9歳~11歳頃|前から4~5番目の「第一乳臼歯」(4番目)

9歳~12歳頃|前から7番目の「第二乳臼歯」(5番目)

【下の歯】

6歳~7歳頃|真ん中の前歯「乳中切歯」(1番目)

7歳~8歳頃|前から2番目の「乳側切歯」(2番目)

9歳~11歳頃|前から3番目の「乳犬歯」(3番目)

10歳~12歳頃|前から4~5番目の「第一乳臼歯」(4番目)

9歳~12歳頃|前から7番目の「第二乳臼歯」(5番目)

最初に生えてくる永久歯は、6歳前後に生えてくる「第一大臼歯(だいいちだいきゅうし)」と呼ばれるものです。6歳くらいになると萌出が始まるため、「6歳臼歯」とも呼ばれます。

「第一大臼歯」はもともと乳歯がないところから生えてきます。永久歯の中で一番大きく、噛む力が強く、歯並びやかみ合わせの基本となります。

乳歯を自宅で抜いても大丈夫?

乳歯は自然に脱落すれば理想的ですが、あまり長い間グラグラしていて、生えかわり適齢期に入っていれば自宅で抜いても問題ありません。

ただし、強引に歯を引き抜くと、歯茎を傷つけたり、歯の根っこが歯茎の中で折れて残ってしまうリスクがありますのでNG。自分の舌で少しずつ動かしていると、自然と抜けるでしょう。

注意点としては、乳歯がぐらついていても、生えかわり適齢期に入っていない場合は、永久歯の生え変わりに影響することがあるため、無理に引き抜くのはNGです。

乳歯は自然に抜け落ちるまで、永久歯が生えるスペースを確保するという大事な役割がありますので、気になって早く引っこ抜くと、結果的に歯並びが悪くなる原因となります。

生え変わり適齢期ではないのに乳歯がぐらぐらしている場合は、虫歯や衝撃による脱臼などが起きている可能性があります。

生え変わりの適齢期は歯の位置によって異なり、乳歯を抜くタイミングはしっかり見極める必要がありますので、定期的に歯科医院に見てもらい、適切な処置をしてもらうとよいでしょう。

自宅でグラグラした乳歯を抜く方法

自宅でグラグラした乳歯を抜くときには衛生面に配慮することが大事です。

乳歯を抜いた部分は、傷口が開いた状態になりますので、雑菌が入り込まないように、乳歯を抜く前に必ず手洗いをしてください。お子様にも傷口には触れないように伝えましょう。

ぐらついた乳歯は力を入れなくてもすぐ抜けますが、スムーズに抜けない場合は、自然に抜けるように様子をみてください。無理に抜こうとすると歯根が折れることがあるのでNGです。

お子様には「舌で歯を少しずつ揺すってね」と教えてあげると自然と抜けやすくなります。

歯が抜けた時に歯茎から出血したときには、清潔なガーゼを抜けた部分に当てて軽く噛んでもらうと5分くらいで止血します。出血が続くような場合は早急に歯科を受診してください。

グラグラの乳歯は歯科医院で抜いてもらうと安全

乳歯を自宅で抜くのは適切なタイミングを見計らって、適切に処置しなければなりません。

できれば歯科医院にお口の状態を診てもらい、レントゲンを撮って適切なタイミングか判断してもらい、必要に応じて抜いてもらうと安心です。

▽以下のケースは歯医者で抜いてもらいましょう。

①乳歯が抜ける前に、永久歯が生えてきた

通常、永久歯は乳歯が抜け落ちてから生えてきますが、乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきた場合は、永久歯の歯並びに影響するので歯医者で抜いてもらいましょう。

②噛むときに激しい痛みがある

乳歯がぐらついているのになかなか抜けず、食べるときに歯が痛い場合は、自宅で無理に抜こうとせず、歯科医院で抜いてもらうようにしてください。

③乳歯が重度の虫歯になっている

乳歯が虫歯になっていて揺らすことができない場合、自分で抜こうとすると歯が途中で折れたり、歯の残骸が歯茎の中に残るリスクがありますので、歯医者で抜いてもらいましょう。

④乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない

乳歯が抜けた場所から永久歯がなかなか生えてこない場合、歯茎を小さく切開して、永久歯の萌出を促す処置が必要になりますので歯科医に診てもらうことが大切です。

⑤永久歯が欠損している

人間の歯の数は、乳歯20本、永久歯28本(親知らずを含めると最大32本)ありますが、生まれつき永久歯が生まれつき足りない症状があり、これを「先天性欠如歯」といいます。

人によって場所は異なりますが、主に下の前から2番目の側切歯と、前から5番目の第二大臼歯に多く見られます。この場合、乳歯の根っこが吸収されないため、乳歯が抜けてきません。

永久歯に生え変わらないため、大人になっても乳歯を大切に使うことになり、ブリッジやインプラントなどで歯を補う治療を行います。

⑥永久歯が深い位置に埋伏している

稀なケースですが、永久歯が深い位置に埋伏しているため、表に出てこられない場合、乳歯の根っこが吸収されませんので乳歯は抜けてきません。このような場合は歯科医に診てもらいましょう。

抜けた乳歯の保管方法は?

A vector illustration of a tooth fairy visiting a sleeping girl

抜けた乳歯はどうやって保管すればよいのか悩みますね。

日本の伝統的なしきたりは、抜けた乳歯を屋根や縁の下に投げて、家を守ってくれる神様に「丈夫な永久歯が生えてきますように」と願うという風習がありました。

現代の日本の住宅事情は木造和室の純日本邸宅が少なくなったため、専用ケースに入れて自宅で保管することが多くなりました。

一方で、欧米では「Tooth Fairy(トゥース・フェアリー)」と呼ばれる小さな妖精にまつわる神話があります。

子供が寝るときに枕の下に抜けた歯を置いておくと、翼と杖を持った小さな妖精が夜に子供たちを訪ねて抜けた乳歯を集めて、お金やコインなどの小さな贈り物を枕の下に置きます。

13世紀にヨーロッパで始まった神話と考えられており、現在では世界中で祝われている行事になり、子供たちは歯の生え変わる時期に特別な経験をするのです。

子供の生え変わりのご相談は「ABC Dental」へお気軽にどうぞ

乳歯は永久歯が生えてくる間に、スペースを保つという大事な役割がありますので、早く抜いてしまうと歯並び悪化やかみ合わせに問題が起こる原因となるので注意が必要です。

グラグラした乳歯を抜くタイミング、気になる方は、お子様と一緒に大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「ABC Dental」までお気軽にご相談くださいませ。

まとめ

今にも抜け落ちそうなグラグラした乳歯の対処法についてご紹介しました。

お子様の歯並びが気になる方は、お子様と一緒に大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「ABC Dental」にお越しいただき、小児矯正の無料カウンセリングをご利用ください。

東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。

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