子供のストローマグ使用は歯並びに影響するって本当?

歯科医師監修イラスト解説

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専門家による詳細ガイド

マグカップで飲み物を飲む生9ヶ月の赤ちゃん

まだ吸い込む力がない赤ちゃんや幼児にとって、ストローを使うと舌の位置が正常な場所よりも下がってしまうため、歯並びに悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要。子供がストローやストローマグを使うことで歯並びが悪くなるリスクについて歯科医が解説!

みなさん、こんにちは!

東京都大田区田園調布にある「ABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科」の院長です。

最近、ベビー用品や赤ちゃんグッズのお店には、ストローマグやスパウト(赤ちゃん用マグ)など、様々な種類のカップが販売されています。

まだ吸い込む力がない赤ちゃんや幼児にとって、ストローを使うと舌の位置が正常な場所よりも下がってしまうため、歯並びに悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。

本記事では、子供がストローやストローマグを使うことで歯並びが悪くなるリスク、飲み物ツールの理想的な順番について歯科医が解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

▽先読み!この記事で分かること

・0歳の赤ちゃんにいきなりストロー飲みはNG

・舌が間違った動きをすると口腔発育に影響を及ぼす

・ストローマグやスパウトは2歳~3歳以降に使いましょう

ご質問:子供がストローマグを使うと歯並びが悪くなるって本当ですか?

ご質問をいただきました。

ご質問者様:3歳の娘さんのお母様

娘はディズニーキャラクターが大好きで、ディズニーのストローマグを使って、水やジュースを飲んでいます。かなりのお気に入りで持ち手部分を常に離さず、いつも握っています。

ママ友と話していたら、「ストローマグは口腔発育にあまり良くないみたいよ」と聞いたのでネットで調べてみたら、歯並びに影響を及ぼすことがあると分かりました。

そこで、小児歯科の先生に子供がストローマグを使うと本当に歯並びが悪くなってしまうのか説明を伺いたいです。よろしくお願いします。

回答:舌が間違った動きをすると口腔発育に影響を及ぼします

質問に回答します。

最近、公園や街中を歩いていると、ストローマグを使ってゴクゴクと飲みものを飲んでいる赤ちゃんや幼児を見かけることが多くなりました。

ストローマグとはストローが付いたマグのことです。飲みものを吸い込む力が必要ですので、生後8か月くらいの赤ちゃんに使用されています。

一方で、スパウトの方は大きな飲み口が付いており、容器を傾けるだけで飲みものが口に流れてくるので、吸い込む力は必要なく、生後5~6か月くらいの赤ちゃん向けです。

ストローマグやスパウトは赤ちゃんがまだ上の唇がうまく使えない時期に不適切な位置で使用すると、舌の位置が下がってしまい、歯列や口腔発育に悪影響を与えることがあります。

赤ちゃんがストローマグやスパウトを使うと、必ず歯並びが悪くなるというわけではなく、上の唇がうまく使えるようになってから使い始めた方がよい、という回答になります。

赤ちゃんが使用する順番は、まずはスプーンを使って少量の水をすする練習をして、上唇が上手に使えるようになったらコップを使い、最後にストロー付きのマグ、という順で行いましょう。

0歳の赤ちゃんにいきなりストロー飲みはNG!

赤ちゃん

なんとなく、赤ちゃんにはコップよりもストローマグやスパウトの方が飲みやすいんじゃないかな…と思う親御様も多いかと思います。

ストローマグやスパウトは外出先でも赤ちゃんがこぼさずに飲みやすいため、多くの親御様に選ばれていますが、ストロー飲みは唇と舌の動きが上手くできるようになってからが正解です。

0歳からのストローやスパウトを使うと歯並びが悪化する理由

赤ちゃんにいきなりストローで飲ませると、まだ唇と舌が上手く動かないため、舌で下の前歯の後ろあたりを押し出して飲み込んでしまいます。

飲みものを飲むたびにこの動きが癖になって、唇と舌が鍛えられず、正常な舌の位置よりも下がってしまう(低位舌)になりやすく、歯列の悪化や発音がしにくい問題も起こりえます。

唇と舌が鍛えられる前にストロー飲みを続けていると、顎や歯へ不要な圧力がかかり、それが歯並びを乱す可能性もあるので注意が必要です。

そのため、基本的に赤ちゃんがストロー飲みをするのは一番最後にするのが理想的です。

これが理想的!赤ちゃんの飲みものツールの順番

ここからは赤ちゃんの口腔発育を適切に促すために、飲みものツールの理想的な順番について解説します。

①スプーンを使ってすすり飲みの練習(生後0~7ヵ月頃)

コップで飲む練習をする前に、まずはスプーンを使って、少量の水をすすりながら飲む練習をしましょう。お口の中に水を全部入れずに、赤ちゃんが上唇を使ってすする練習をします。

上唇でスプーンを捉えることで、上唇の筋肉が鍛えられます。1か月続けていると上手くできるようになっていきます。すすり飲みができたら、次はコップで飲む練習に移りましょう。

②コップを使って飲む練習(生後7~8ヶ月頃)

赤ちゃんにとって、コップを使って飲むことは難しいことです。上唇でコップの端をしっかり挟み、上唇で飲む量をコントロールしなければなりません。

はじめのうちは、コップの中の水をぶくぶくさせたり、飲む量が分からずこぼしてしまうこともありますが、上唇が上手く使えるように毎日コップ飲みの練習しましょう。

コップで上手く飲めるようになれば、上手く口を閉じてこぼすことがありません。食べ物を噛んで飲み込む、といった口腔機能も発達し、顎骨の成長促進にも繋がります。

③最後にストロー(2歳~3歳以降)

先ほども述べた通り、赤ちゃんがスプーンやコップで飲む練習をする前に、いきなりストローで飲ませようとすると、間違った唇と舌の動きをして、それが癖になってしまうのでNGです。

まずは、スプーンですすり飲みの練習をして、その次にコップで飲めるように唇と舌の筋肉を鍛えて、正しい飲み方を覚えたら、ストローマグやスパウトを使ってもOKです。

子供がストロー飲みの癖がつかないようにするには?

生後7か月〜8か月頃になったら、自分で椅子に座れるようになる頃ですので、コップで飲む練習を始めましょう。ストロー飲みを先に覚えると、コップで飲むのを嫌がるので要注意です。

赤ちゃんにとって、コップを上唇で挟み、上唇を使って水を適量吸い込み、飲む量をコントロールすることは難しいことです。いきなりできることではありません。

しかし、毎日コップで飲む練習をしていると、唇と舌が鍛えられて、1〜2ヶ月後くらいにはコップでゴクゴクと飲めるようになるでしょう。

子供が正しい飲み方を覚える重要性について

私たちが普段無意識に行っている食べたり飲んだりする行為は、子供の頃に練習を繰り返しながら何度も失敗をして、ようやくできるようになった動作です。

正しく身に付いたら自然とできるようになりますが、上手くできるまでは何度も練習をして失敗を繰り返さなければなりません。

子供のうちに正しい飲み方を覚えられないと、間違った上唇と舌の使い方をするので、大人になっても食べ物や飲み物をこぼしたり、くちゃくちゃと音がなる癖がついてしまうのです。

子供の歯並びは決して遺伝的な要因だけでなく、日常の舌や唇の癖や呼吸法、食事の仕方も大きく影響しますので、歯並びが悪くなる原因はなるべく早めに取り除く必要があります。

上唇の成長は4歳ぐらいに終了し、ほぼ大人の形に完成しますので、子供のうちにしっかりと口腔機能を高めるためにも、上の唇と舌を正しく使えるように練習すことが大切です。

子供の歯並びのご相談は「ABC Dental」へお気軽にどうぞ

大田区田園調布のABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科

お子様が大人になったとに、きちんと食べ物を噛んだり、飲み込んだり、正しい飲食の習慣を身に着けるためにも、子供のうちに口腔機能の発達を適切に促すことが重要です。

子供の歯並びが悪くなる原因は複数の要因が考えられ、お子様一人ひとりによって異なります。当院ではお子様の今の歯並びを精密検査によって不正咬合の原因を説明いたします。

お子様の歯並びが気になる方は、お子様と一緒に大田区田園調布にある「ABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科」にお越しいただき、小児矯正の無料カウンセリングをご利用くださいませ。

まとめ

当院では小さなお子様がマウスピース矯正を楽しんで取り組んでいただけるように、明るい院内におもちゃや動画など、至るところに工夫しています。小児矯正のご相談は大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「abc dental」までどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。

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