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歯科医師監修イラスト解説
専門家による詳細ガイド
「矯正治療を始めると楽器演奏に吹きづらくなったり、痛みが出やすくなるか、吹奏楽と歯並びの関係について、矯正専門の歯科医院が詳しく解説します」
みなさん、こんにちは!
東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「ABC Dental」の院長です。
当院には、歯科矯正の治療をしながら、学校の部活動や習い事などで楽器を演奏していている患者様が多くいらっしゃいます。
そこで今回のテーマは、矯正すると楽器が吹きづらくなったり、痛みが出やすくならないか、吹奏楽と歯並びの関係について、矯正専門の歯科医が詳しく解説していきます。ご参考になれば幸いです。
▽先読み!この記事で分かること
・歯並びが良いほうが、パフォーマンス向上に繋がる
・歯科矯正治療と吹奏楽は同時にできる
・楽器演奏が難しくなるケースもある
・矯正開始は低年齢のときがベスト!
ご質問:吹奏楽には良い歯並びが必要ですか?
ご質問がありました。
ご質問者様:小学生のお母様
小学校高学年の娘がいます。
娘は中学校に入ったら吹奏楽部に入るのが夢らしく、私もそれを応援したいと考えています。
最近、吹奏楽経験者のママ友に聞いたのですが、歯並びが悪いと、吹奏楽でちゃんと音が出せない、音をしっかりと出しにくい、という話を聞きました。娘は歯並びが悪いので、「大丈夫かな…」と心配です。
歯並びは大人になっても治せると思いますが、楽器演奏がしやすいように、子供のうちに治しておくべきか悩んでいます。
そこで、お聞きしたいのですが、吹奏楽には良い歯並びが必要でしょうか?それとも、そんなに歯並びを気にしなくても、楽器演奏には影響はないのでしょうか?
教えていただけると助かります。よろしくお願いします。
回答:歯並びが良いほうがパフォーマンス向上に繋がります
ご質問ありがとうございます。
結論から簡潔に述べますと、歯並びと管楽器の吹きやすさは個人差がありますが、少なからず関係しています。
歯並びが悪くなる一つの原因は、口周りも含めた顎と顔面の成長に何らかの問題があるために起こる症状です。
一般的に、管楽器は正常な顎と顔面に合わせて製作されていますので、歯並びが悪い人が管楽器を吹くときに、息をしっかりと通しにくいことがあります。
顎顔面が正しい成長をしていないために、綺麗な音を出すための口の形が作れない可能性もあり、上手く音が出せない、出しにくいというケースも考えられます。
お子様の歯並びが悪い場合、ちゃんと楽器の音を出せない、音をしっかりと出しにくいという問題が起こる可能性は十分にあるでしょう。
歯並びが良いほうが、吹奏楽でのパフォーマンスは良くなるといえます。
では、詳しく解説していきましょう。
歯並びが悪い(不正咬合)と楽器を演奏するのは難しい?
歯並びの悪さとひとくちに言っても様々な種類があります。
▽歯並びの悪さ(不正咬合)の種類
・出っ歯(上顎前突)
・受け口(反対咬合)
・八重歯、重なり合った凸凹(叢生)
・口が閉まらない(開咬)
・かみ合わせが深すぎて、下の前歯がほとんど見えない(過蓋咬合)
・上下の歯の咬み合わせが横にズレている(交叉咬合)
特に出っ歯(上顎前突)や受け口(反対咬合)の症状がある場合は、管楽器の吹口部分に、思い切り息を吹き込むことが難しくなりますので、演奏にも影響を与えるでしょう。
【吹奏楽の楽器別】歯並びの悪さが演奏に与える影響
吹奏楽部の管楽器は、金管楽器と木管楽器に分けられます。どちらも演奏者の舌の位置、舌の筋力、動き、柔軟性などの条件によって、楽器演奏が難しくなる可能性があります。
▽金管楽器
・トランペット
・ホルン
・トロンボーン
・ユーフォニアム
・コルネット
・チューバ
・アルトホルン
金管楽器は、唇の真ん中に吹き口部分を押し当てて、唇を震わせながらブォーンと吹きます。
口の中を通って息の流れを作り出しますので、舌の位置や動きによっては、高音が出にくかったり、強い音、弱い音などの使い分けが難しくなるでしょう。
▽木管楽器
・フルート
・オーボエ
・クラリネット
・サクソフォン
・ファゴット
木管楽器では、上の前歯に吹き口部分を当てて、下唇と下の前歯で楽器を支えるようにして吹きます。口腔内に気流を生じさせて音を出す仕組みは金管楽器と同じです。
息が口の中を通りますので、舌の位置や使い方によっては、音楽の表現力の幅が少なくなってしまうことがあります。
▽弦楽器
・バイオリン
・ヴィオラ
・チェロ
・コントラバス
弦楽器の中では、バイオリンとヴィオラの場合は、楽器を顎で抑えて演奏するため、歯並びが演奏に影響を及ぼすことがあります。
歯科矯正の治療と吹奏楽部は両立できる?
歯並びの悪さが管楽器のパフォーマンスに影響すると分かったら、「なるべく早めに歯科矯正を始めなきゃ!」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。
矯正治療を始めたら、管楽器をきちんと吹けるかどうか心配になるかもしれませんが、実際に、矯正と吹奏楽部の両立は可能です。
管楽器の場合は、舌を活発に動かすことになりますので、矯正装置を付けたときと外した時に若干の違和感があり、個人差はありますが、慣れるまでに約1ヶ月位かかります。
時間の経過とともに、お口の中に矯正装置が入っている環境に慣れていきますので、管楽器を吹くときに口元の形を作りやすくなり、問題なく演奏できるようになるでしょう。
当院では、実際に楽器を演奏しやすいように、矯正装置を調整することも可能です。
矯正中に楽器を演奏すると痛いの?
矯正中に楽器を演奏すると、口の中が痛くならないか、という点も気になるところでしょう。
インビザラインなどのマウスピース矯正治療の場合は、実際にゆっくりと歯が動いていますので、個人差がありますが、矯正装置が入ったときに痛みを感じることがあります。
ワイヤー矯正の場合は、金管楽器の吹き口部分に思い切り息を吹き込んだ時に、矯正装置が唇に当たって、演奏中に痛むことが多いようです。唇付近に傷ができてしまうこともあります。
痛み対策としては、唇によく当たる部分に矯正用のワックスを塗ったり、ゴムリングでカバーすることで、唇への当たり具合を軽減することができます。
矯正治療に抜歯が必要なケースでは、抜歯後の隙間から空気が漏れたり、痛みを感じることがあります。治癒するまでは、演奏を控えなければいけないこともあります。
楽器を演奏中に痛みを感じる場合は、担当の歯科医師に相談しましょう。
矯正を始めるタイミングは、吹奏楽を始める前がベスト!
吹奏楽部に入る予定の方は、矯正を始めるならば入部する前のタイミングがベストです。
なるべく低年齢のうちに、子どもの頃から始めることで、顎の成長を正しい方向に誘導しながら、歯並びとかみ合わせの改善が期待できるからです。
もちろん、大人になってからでも矯正を始めることができますが、小児矯正の方が後戻りのリスクが少なく、抜歯のリスクが減らしたりできるなど、メリットは多いです。
また、矯正を始めたばかりの頃は、楽器演奏がしにくくなりますので、発表会や演奏会、コンクールなどの直前は避けて、歯科医とよく相談して治療計画を立てると良いでしょう。
吹奏楽だけでなく、スポーツの部活動に入る予定の方も、歯並びはパフォーマンスに影響しますので、子供のうちから歯並びを整えることが推奨されます。
歯並び相談は矯正専門歯科「ABC Dental」までお気軽にどうぞ
当院では、矯正治療を行いながら快適に楽器を演奏したり、スポーツができるように、適切な矯正装置を選び、一人ひとりに合わせた調整を行っております。
痛みが気になる方には取り外しができる「マウスピース矯正」であれば、演奏をするときにマウスピースを外すことができますので安心です。
吹奏楽部や楽器演奏をされる予定の方、スポーツをされる予定の方で、矯正治療を始めたい方は、小児矯正専門歯科医院「ABC Dental」までお気軽にご相談いただければと思います。
まとめ
今回は、吹奏楽の楽器別に歯並びの悪さが演奏に与える影響、そして矯正と両立できるお話をご紹介しました。
当院では、部活動のスケジュールに合わせて定期検診や治療計画を進めるようにできる限りサポートさせていただきます。
歯並び相談、矯正にご興味がありましたら、「ABC Dental」までどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
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