「普段、お子様がテレビや動画を見ながら食事をすると、「良く噛む」という動作がおろそかになり、顎骨の成長・発育が不足して、歯並びが悪くなる可能性があるため注意が必要です。」
みなさん、こんにちは!
東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「ABC Dental」の院長です。
近年、子供の歯並びが悪くなる要因は、遺伝的な問題だけでなく、乳幼児期・幼児期・小学校低学年までの食習慣や生活習慣が影響していることが分かっています。
普段、お子様がテレビや動画を見ながら食事をすると、「良く噛む」という動作がおろそかになり、顎骨の成長・発育が不足して、歯並びが悪くなる可能性があるため注意が必要です。
本記事では、食事のテレビ視聴が子供の歯並びに与える影響と対策法を小児歯科医が解説してきますので、ぜひ今後の食生活に取り入れていただければと思います。
▽先読み!この記事で分かること
- 食事中のテレビ視聴は姿勢や口の動きがおろそかになりNG
- 噛み合わせと歯並び悪化に繋がる
- よく噛む習慣をつくることが大切
- マウスピース矯正で口腔習癖を改善しよう
Table of Contents
ご質問:子供がテレビを見ながら食事をすると歯並びに影響しますか?
ご質問をいただきました。
ご質問者様:3歳の娘さんのお母様
娘はいつも食事中にテレビやYouTube動画を見ています。お気に入りの番組が始まると夢中になってしまうので、食事の時間がだらだらと長くなります。
テレビを見ながら食事をするのは良くないかな?と思いながらも、いつもやっているので癖になってしまいました。
そこで質問です。食事のテレビ視聴は子供の歯並びに悪い影響がありますか?
将来、子供の歯並びが悪くならないように食事中に気を付けた方が良いことがあればアドバイスをお願いします。
回答:姿勢や口の動きがおろそかになるためNG
質問に回答します。
最近は、当院に同様の質問が多く寄せられており、テレビやお気に入りの動画を見ながら食事をするお子様が多いことが伺えます。
結論から申し上げますと、子供が画面を見ながら食事をすると、画面の方に体の向きを合わせるので姿勢が悪くなるだけでなく、よく噛むという大事な動作がおろそかになるのでNGです。
冒頭にも述べたように、子供の歯並びは遺伝的要因だけで決まるのではなく、乳児期から小学校低学年までの食生活や生活習慣が大きく影響することが分かっています。
テレビを見ながら食事をすると、テレビに気を取られてよく噛まずに飲み込んでしまうため、咀嚼回数が減って顎骨の発達・成長を妨げてしまい、歯列が悪くなる可能性があります。
きれいな歯並びの基本は、子供の時に食べ物をよく噛んで、上下の顎骨がバランスよく成長し、顎の横幅に十分なスペースを確保することです。
食事中にテレビや動画を見ると、歯並びが悪くなる可能性がありますので、お子様の体とお口の健康のためにも、食事中は画面を消し、ご家族での会話を楽しむことをおすすめします。
食事中のテレビ視聴が子供の歯並びに与える3つの影響
ここでは、食事中のテレビ視聴が歯並びに与える影響をみていきましょう。
①顎の成長のバランスが崩れる
食事中にテレビや動画を見ながら食事をすると、体の向きや首が左右のどちらかに傾いた状態になるので、横を向いたまま、片方の歯ばかりで噛むようになります。
よく使う側の顎はよく成長しますが、反対側の顎は成長不足になるため、左右の顎の成長バランスが崩れてしまい、歯並び悪化の原因になります。
②噛み合わせが悪くなる
日頃からテレビや動画を見ながら食事をすると、画面に気を取られてよく噛まずに飲み込んでしまうため、顎骨の成長・発達が不十分になり、噛み合わせが悪くなる可能性があります。
左右の歯で均等に噛まずに、片方の歯だけを使って噛むようになり、顎の成長バランスが崩れると、噛み合わせまで悪くなるリスクがあるので注意が必要です。
③歯並び悪化に繋がる
子供の歯並びがきれいに整うためには、6歳くらいまでの食事を通じて顎の成長・発達を十分に促すことが重要なポイントです。
食事中にテレビや動画を見る習慣があると、姿勢が悪くなって顎の成長・発育が不十分となりやすく、将来、永久歯が並ぶ時に顎のスペースが不足して、歯並び悪化の原因となります。
▽子供の不正咬合の原因についてはコチラ!
子供の不正咬合は全体の60%以上って本当?5つの種類・原因・治療法について解説! – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)
きれいな歯並びの基本|顎の成長・発達を十分に促すこと
将来、子供の歯並びを良くするには、食事中にしっかり噛んで、咀嚼回数を増やし、上下の顎の骨をバランスよく成長・発達するように促すことが大事です。
現代の子供たちの食事は、昔よりも柔らかいものや小さくカットされた食べ物が中心となったため、食事中の咀嚼回数が減り、顎と口周りの筋肉が十分に発達しない傾向にあります。
実際に、現代の子供たちの顎骨や顔の大きさは小さくなっており、歯が正しく並ぶスペースが足りないため、歯列が悪くなっている傾向にあるのです。
子供がよく噛む習慣をつくることの重要性
歯の根元には歯の根っこを覆っている「歯根膜(しこんまく)」と呼ばれる薄い膜があり、食べ物の触覚や痛覚などの感覚があります。
歯根膜には触覚や痛覚があり、食べ物のサクっとした感触や硬さなどをしっかりと感知して三叉神経と呼ばれる末梢神経を通じて脳へ伝える、という重要な役割があるのです。
食べ物をしっかり噛んで、刺激を脳へ伝えることは脳を活性化させて、子供の学習や記憶力を向上することにも繋がりますので、よく噛む習慣をつくることはとても重要といえます。
食事中に子供の歯並びを良くするための対策法
子供の歯並びがきれいになるか、乱れてしまうかは6歳頃までの食事の習慣が大事です。
食事中に子供の歯並びを良くするための対策法をご紹介しましょう。
姿勢を正しくする
食事中の姿勢は歯がきれいに並ぶための土台である顎の発育・発達に影響しますので、背筋をまっすぐ伸ばして正面を向くことが大事です。
そして、イスに座るときは足がぶらぶらすると歯に力が入らず、硬いものをしっかり噛むことが難しくなりますので、床にしっかり両足が付いた状態が理想的です。
食事中にテレビが付いていると、よく噛むことがおろそかになるので、テレビは消して、姿勢は正面を向いて背筋を伸ばし、椅子の高さを調整できる椅子を使うようにしましょう。
よく噛むことを意識する
幼児期は食べやすい柔らかい食べ物を中心になってしまいがちですが、顎の成長を適切に促すためにも、適度に硬い食材を取り入れて、よく噛むことを意識することが大切です。
例えば、タケノコ、ゴボウ、レンコンといった根菜類、おやつはリンゴ、梨、ナッツ類などを積極的に取り入れると、口周りの筋肉が十分に発達し、骨格の正常な形成につながります
食材は小さくカットせずに、繊維に沿って大きめにカットすると、前歯で噛み切るトレーニングにもなり、自然と奥歯でしっかり噛んで食べる習慣がつくでしょう。
歯並びが悪くなる癖や習慣を直す
口呼吸の習慣、指しゃぶりの癖、舌を押し出す癖、唇を噛む癖、爪を噛む癖、頬杖をつくなど、日々の繰り返しの習慣によって顎の位置もずれて発達してしまうので要注意です。
このような癖や習慣は歯並び悪化に繋がる悪習癖として早めに改善する必要があります。
▽歯並びが悪くなる子供の癖はコチラ!
歯並びが悪くなる子供のクセ7選!歯科医が改善方法と予防策を解説 – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)
子供の歯並び治療|マウスピース矯正
小児矯正ではマウスピース矯正によって正しい歯並びの土台を作り、同時に歯並びが悪くなる悪習癖を取り除くことで、噛み合わせを改善することが可能です。
マイオブレイス
当院では様々な矯正治療を行っており、歯並びが悪くなる前の予防矯正「マイオブレイスシステム」を導入しております。
乳歯列もしくは前歯が乳歯から永久歯に生え変わる7歳くらいまでの混合歯列前期に治療を開始することで、顎や歯の成長発育を正常化させて理想的な噛み合わせに改善します。
▽「マイオブレイスシステム」の特徴
- マウスピース装着時は痛みや違和感ほとんどない
- 3歳から治療開始できる
- 抜歯をする必要がない
- 装着時間は日中1時間と寝ている時のみ
- 根本的原因から改善する
- 口呼吸・低位舌を改善する
- 口腔機能を改善する
マウスピースの装着時間は、基本的に日中1時間と寝ている時のみとなっており、学校で過ごしている間は不要です。お友達には気づかれず、ストレスなく続けることが可能です。
▽マイオブレイスシステムについてはコチラ!
Preventive Orthodontic Treatment – Myobrace
▽マイオブレイスシステムの症例についてはコチラ!
【小児矯正の症例】反対咬合|マイオブレースの症例をご紹介 – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)
インビザライン・ファースト
「インビザライン・ファースト」は、取り外し可能な透明のマウスピース矯正装置を使った治療法です。
▽「インビザライン・ファースト」の特徴
- マウスピース装着時は痛みや違和感ほとんどない
- 6歳から治療開始できる
- 抜歯をする必要がない
- 透明に近く目立ちにくい
- 装着時間の目安は1日20~22時間以上
- 通常の歯磨きと食事が可能
※歯の成長具合によっては適用外になります。
インビザライン・ファースト矯正は小さな歯にもフィットしますので、乳歯と永久歯が混在している混合歯列前期(6~10歳くらい)が対象です。
顎の発育を適切にコントロールし、顎の大きさを広げながら、これから生えてくる永久歯がきれいに並ぶために必要なスペースを作り、同時に歯並びを整える治療法です。
▽インビザライン・ファースト矯正についてはコチラ
インビザライン・ファースト矯正|インビザライン・ジャパン【公式】
▽インビザラインの種類についてはコチラ
【2023年最新版】子供のインビザラインの種類について徹底解説 – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)
快適でスピーディーな口腔内スキャナー「iTero(アイテロ)」のご紹介
従来、矯正装置を製作する際には粘土のような型取り材をお口に入れて型を取る必要があり、
お子様が嘔吐反射してしまうというデメリットがありました。
当院ではインビザライン・ファースト用の最新3Dスキャナー「iTero(アイテロ)」を導入しており、光を当てるだけでスピーディーに快適に型を取ることが可能です。
▽「iTero(アイテロ)」のメリット
- 歯形を取るときに「オエっ」とならない
- 歯並びと嚙み合わせがその場でわかる
- 矯正治療のシミュレーションを確認できる
- スキャンしたデータをスマホに転送可能
3Dスキャナーを使って光を当てることで型取りを行い、患者様の歯型をその場で画面上にて確認することができ、矯正後の歯型をシミュレーションで見ることもできます。
スキャンしたお子様のお口の中のデータはスマートフォンに送信することが可能ですので、歯並び・嚙み合わせをご家庭でも確認していただき、納得した上で矯正治療を開始することができます。
▽「iTero(アイテロ)」について詳しくはコチラ!
【小児矯正】不快な歯型取りは不要な時代へ!口腔内スキャナー「アイテロ(iTero)」のご紹介 – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)
子供の歯並びのご相談は「ABC Dental」へお気軽にどうぞ
子供の骨格や歯並びが悪くなる要因は、決して遺伝的要因だけで決まるわけではなく、生活習慣や食習慣といった後天的な要因も影響することが分かっています。
お子様の歯並びが気になる方は、早めに矯正歯科を受診されて歯並びについて相談し、定期的に歯科医院でチェックをされることをおすすめします。
お子様の歯並びが気になる方は、ぜひお子様と一緒に大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「ABC Dental」の無料カウンセリングをご利用くださいませ。
まとめ
毎日の食事では、正しい姿勢で食事することを心がけてしっかりと噛むことを意識することできれいに整った歯並びを育てることに繋がります。ぜひ、参考にしてみてください。
東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。