子供の前歯 着色汚れ 歯並びの悪さやお口ポカンが与える影響とは?

「出っ歯の歯並びや前歯がデコボコしているお子様、お口を常にポカーンと開いている場合、前歯の着色汚れが付きやすくなるので注意が必要です。前歯をキレイに保つための予防法・治療法をご紹介しますのでご覧ください」

みなさん、こんにちは!

東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「ABC Dental」の院長です。

子供の前歯を見て、「なんだか黄ばんで見える…」「乳歯が生えてきたときは白くてキレイだったのに…」と着色汚れが気になっていませんか?

子供の前歯が黄色く見えたり、茶色に見えたりする原因は色々ありますが、飲食物のステイン(着色成分)やプラーク(歯垢)が歯の表面に付いていることが考えられます。

特に、出っ歯の歯並びや前歯がデコボコしているお子様、お口を常にポカーンと開いている場合、前歯の着色汚れが付きやすくなるので注意が必要です。

そこで今回は、子供の前歯の着色が気になる親御様に向けて、歯並びの悪さやお口ポカンが与える影響、前歯をキレイに保つための予防法・治療法をご紹介しますのでご覧ください。

▽先読み!この記事で分かること

  • 前歯の着色は歯並びの悪さと関係がある
  • お口ポカンは着色汚れが付きやすい
  • 丁寧にブラッシングと定期健診で予防
  • 歯科医院で歯のクリーニング

ご質問:子供の前歯の着色が気になります…

ご質問をいただきました。

ご質問者様:7歳の娘さんのお母様

娘は乳歯が生えてきた頃、透明感があって白いキレイな歯をしていました。最近、上の前歯が生え変わりましたが、乳歯の時よりも黄ばんで見えるのが気になります。

娘の歯並びは出っ歯とガタガタの叢生という症状がありますが、歯並びが悪いと歯が黄ばみやすいですか?どうしたら、乳歯の時のようにキレイな歯になるか、教えてください。

回答:前歯の着色は歯並びの悪さと関係があります

質問に回答します。

お子様の上の前歯が生え変わって、歯の黄ばみが気になっているというお悩みですね。

ご指摘の通り、乳歯は青白く透明感がありますが、永久歯は乳歯に比べると黄色みがかった象牙質(外部刺激から守る役割がある)に厚みがあります。

前歯の永久歯が乳歯と比べて黄ばんで見えるのは、半透明のエナメル質から濃く透けて見えることが原因です。

特に前歯の生え変わりの時期は、生えてきた永久歯の方が乳歯よりも黄ばんだように見えることは通常のことですので、安心してください。

気になった点は、お子様に出っ歯(上顎前突)やガタガタの叢生という不正咬合の症状がある場合、唇を自然と閉じることが難しく、お口がポカーンと開いている可能性があります。

常にお口がポカーンと開いた状態は口腔内で唾液による洗い流す効果が弱くなり、飲食物の色素が前歯に着色しやすいので注意が必要です。

お子様の前歯の着色する原因は、着色しやすい歯質や食物の色素が原因である可能性も考えられますが、早期に歯列の矯正をして、歯磨きの習慣を付けることで改善されるでしょう。

永久歯は乳歯よりも黄ばんでいます

乳歯は青白く透明感のある透き通った色をしています。

乳歯の生え変わり時期は個人差がありますが、一般的には6歳頃になると下の前歯が先に生え変わり、7歳を過ぎると上の前歯が生え変わるという順番になります。

上の前歯が永久歯に生え変わった時に、「黄ばんで見える!」と感じた保護者様は多いかと思いますが、先ほどご説明した通り、永久歯はもともとが黄ばんだ色をしています。

歯の表面のエナメル質の下には「象牙質」と呼ばれる層があり、永久歯は乳歯に比べると象牙質に厚みがあるので、エナメル質から透けて見える象牙質が黄ばんだように見えるのです。

子供の前歯が永久歯に生え変わった頃は、周りの乳歯と比べて黄ばんで見えたり、透明感がなくなったように見えますが、歯には異常はありませんので安心してください。

子供の前歯の着色汚れは歯並びと関係ある?

子供の前歯が黄ばんだり、茶色く見えて気になる場合、原因はいくつかありますが、多くの場合、飲食物のステイン(着色成分)やプラーク(歯垢)が歯の表面に付いているからです。

特に、前歯の歯列に問題があるお子様は、口腔内で唾液による洗い流す効果が弱くなり、口腔内が乾燥した状態になるため、前歯に着色汚れが付きやすくなります。

例えば、出っ歯(上顎前突)やガタガタの叢生といった不正咬合の症状がある場合、唇を自然と閉じることが難しいため、お口がポカーンと開いた状態になってしまうことが多いです。

お口がポカーンと開く口呼吸は着色汚れが付きやすい

お口がポカーンと開いている症状は正式に「口唇閉鎖不全症」と呼ばれ、原因は舌や口周りの筋力が十分に発達していない、口呼吸などが挙げられます。 

お口がポカーンと開いていると、本来、殺菌作用がある唾液の分泌が少なくなり、お口の中にある細菌や汚れを洗い流す機能が上手く働きません

そのため、前歯に着色汚れが目立って黄色や茶色く見えたり、お口の中で細菌が繁殖しやすくなるので、口腔内環境の低下にも繋がり、歯肉炎、歯周病のリスク、口臭になりやすいです。

▽子供が口呼吸になる原因と改善法はコチラ!

子供は生まれた時は鼻呼吸!いつから口呼吸になるの?原因と改善法を解説! – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)

歯並びが気になる方は歯科医院に相談しましょう

子供の歯並びが悪い状態を放置していると、見た目の問題だけでなく、口腔内環境の低下により歯の着色が目立ち、正常な顎骨の発育、顔貌の形成に悪影響を与える可能性があります。

歯並びが悪いためにお口を閉じられず、お口がポカーンと開いてしまっている場合は、歯科医院での矯正治療、口呼吸から鼻呼吸に変えるトレーニングを取り入れると効果的です。

口呼吸の習慣は子供のうちに改善しておかないと、大人になってから完全に治すことが難しくなりますので、成長期のうちに鼻呼吸に改善するとよいでしょう。

お子様の歯並びが気になる方は、健康な口腔環境を保つためにも、一度歯科医院で歯並びの精密検査を受けて、歯科医師に相談されることをおすすめします。

▽子供のガタガタの歯の症例はコチラ!

【症例写真あり】子供の叢生(歯のガタガタ)を放置するとこうなります!小児歯科医が解説 – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)

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【小児矯正】子供の叢生|インビザライン(マウスピース矯正)の症例をご紹介 – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)

子供の前歯の着色汚れ!5つの原因

ここからは、子供の前歯の着色汚れ5つの原因について解説していきます。

①着色成分(ステイン)

「ステイン」とは歯の表面に付いた着色汚れのことです。

ステインは大人の歯だけではなく、子供の歯にも付着しやすく、色が濃い飲食物を好むと、歯の表面が黄ばんだり、茶色くなるので注意が必要です。

▽着色成分(ステイン)が付着しやすいもの

  • チョコレート、ココア

→ポリフェノールが付きやすい

  • ベリー類(ぶどう、いちご、ブルーベリーなど)

→ポリフェノールが付きやすい

  • カレー

→スパイス成分が付きやすい

  • 調味料(ソース、ケチャップ、しょうゆ)

→着色料が付きやすい

  • お茶(紅茶、烏龍茶、緑茶など)

→カテキンが付きやすい

  • 豆乳、納豆

→イソフラボンが付きやすい

よく、コーヒーやカレーは歯に着色しやすいと言われますが、子供が好きな食べ物や飲み物にも着色成分(ステイン)が付きやすいものが多くあります。

通常、ステインは口腔内の唾液で流れたり、ブラッシングによって除去されますが、歯の表面に固まると取り除くことが難しくなるので歯科医院でのクリーニングが必要になります。

②プラーク(歯垢)

プラーク(歯垢)とは細菌が集まった歯の沈着物のことをいい、歯にプラーク(歯垢)が付着していると黄褐色や乳白色に見えることがあります。

通常、毎日ブラッシングをしていれば、プラーク(歯垢)を除去することができますが、磨きにくい奥歯や歯並びがデコボコした部分には長期間沈着していることがあります。

歯の表面に歯垢が付いていると、子供でも歯が黄ばんで見えることがありますので、ブラッシングするときは保護者様が仕上げ磨きをして少しずつ歯垢を取り除くことが大切です。

③虫歯による影響

子供の虫歯は初期の段階では、歯のエナメル質がわずかに溶け出して、歯の表面の一部が白く濁って見えます。

虫歯の症状が進行すると茶色くなり、さらに悪化すると分解したタンパク質から炭素が作られますので虫歯の部分は黒くなります。

子供が歯が痛いと言ったり、茶色く見えてきた場合は虫歯の可能性があり、そのまま放置すると他の歯も虫歯になることがありますので、気が付いた時に歯科医院で診察を受けましょう。

また、虫歯の治療を受けた歯の詰め物の縁に汚れが溜まって変色するケースもありますので、治療後も定期的に歯科医院でチェックされるとよいでしょう。

④歯の神経が壊死している

子供が遊んでいる時に転んで歯を強打したり、スポーツで歯を強く打撲したり、事故に遭って歯にダメージを受けた場合は、歯の神経が壊死している可能性があります。

本来、歯の内部には神経が通っていますが、歯の神経が壊死すると、1~2ヶ月後に歯の中の血流が止まりますので、歯が赤紫っぽく見えたり、茶色に変色してきます。

特に子供の前歯はボールがぶつかったり、転んで前歯を強く打つことがありますので、歯に外傷を受けた際には、痛みがない場合でも、歯科医院を受診してもらうことが大事です。

⑤エナメル質形成不全

「エナメル質形成不全」とは、生まれつきエナメル質がうまく形成されず、エナメル質の厚さが通常より薄い、もしくは部分的に欠けている症状のことをいいます。

エナメル質形成不全が起こる原因は全身疾患や遺伝的な要因、皮膚の異常、早産や栄養不良等が挙げられ、生まれつきのものです。

永久歯の前歯の歯茎近くが白く、歯の一部に生まれつきの斑点が見えた場合は、「エナメル質形成不全」の可能性がありますので、歯科医院の診察を受けて治療を受けましょう。

子供の前歯の着色を予防する対処法

子供の前歯の着色が気になったら…セルフケアのブラッシング、そして定期的に歯科医院でチェックを受けましょう。

丁寧にブラッシングをする

毎日の歯磨きは白く健康的な歯を保つための基本です。子供の歯の黄ばみや汚れは着色汚れであることが多いので、普段からしっかりと歯磨きをする習慣を付けることが大事です。

色の濃い食べ物・飲み物を摂った後は必ずブラッシングをして、最後は保護者が仕上げ磨きをサポートしてあげてください。

子供の歯は大人の歯よりも柔らかく、強い力で歯ブラシでゴシゴシやると、歯の表面のエナメル質まで削り取ってしまいますのでNGです。

エナメル質が削れると歯の表面に凹凸ができてステインや汚れが溜まりやすくなりますので、歯ブラシは軽く持って、丁寧に一本ずつ磨くようにしましょう。

大人の歯にはホワイトニング用のハミガキ粉を使用しますが、子供の歯は柔らかくデリケートなので、大人用ではなく、子供用の研磨剤なしのホワイトニング用ジェルがおすすめです。

▽子供が歯磨きを嫌がるのなぜ?はコチラ!

子供が歯ブラシを嫌がるのはもしかして歯並び悪いから?歯磨きを好きになる5つの工夫 – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)

定期的に歯科検診を受ける

白く健康的な歯を保つためには、数か月に一度、定期的に歯科医院でチェックを受けることも大事です。

歯の歯垢や着色汚れをキレイにクリーニングしてもらい、虫歯を早期発見して治療を受ければ、健康的な口腔内環境を保つことができるでしょう。

歯科医院でキレイに!子供の前歯の着色を取り除く対処法

頑固に付いた着色汚れは普段のブラッシングだけでは落とし切るのは難しいでしょう。

歯科医院では歯科専用の機材や薬剤を使用して、歯の着色をキレイに取り除くことができます。

スケーリング

歯石や硬くなったプラーク(歯垢)の除去には「スケーリング」が効果的です。

スケーラーという歯科専用の器具を使用して、歯の表面に付いた着色を除去し、歯垢、歯石を取りくことができます。口の中を衛生的に保ち、口臭の予防にもつながります。

歯のクリーニング「PMTC」

歯と歯の間や、歯の表面に付着した着色やプラークは「PMTC」と呼ばれる歯のクリーニングによって除去することができます。

「PMTC」は専用の器具や薬剤を使用し、治療後は歯の表面がつるつるになって、歯に汚れや細菌が付きにくくなり、虫歯や着色を防ぐ効果が期待できます。

フッ素塗布

虫歯予防のために歯科医院のフッ素塗布がおすすめです。乳歯は柔らかくデリケートな上に、歯質が不安定な状態にありますので、虫歯になりやすい状態にあります。

フッ素に含まれる有効成分が歯質を強化し、虫歯になりにくい、丈夫な歯を育てる効果が期待できます。フッ素の効果を持続させるには3ヵ月に1回の頻度で塗布してもらいましょう。

子供の歯の着色・定期検診や歯並びのご相談は「ABC Dental」へお気軽にどうぞ

子供の前歯の着色は永久歯の元々の特性、そして飲食物のステインが主な原因ですが、歯並びが悪いために色素沈着しやすい可能性があります。

現在の着色や虫歯だけでなく、将来自分で歯を守っていけるようになるためにも、歯磨きを練習しながら定期的に歯科検診を受診しましょう。

当院では歯並びに関する無料カウンセリングも行っておりますで、お子様の歯並びやお口ポカンが気になる方はお気軽にご相談ください。

▽小児矯正は痛みが少ない理由はコチラ!

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まとめ

お子様の歯並びが気になる方は、お子様と一緒に大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「ABC Dental」にお越しいただき、小児矯正の無料カウンセリングをご利用くださいませ。

東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。