歯1本の価値とは?歯科医が語る歯の価値と重要性。子どもの頃からの歯の健康維持が将来の豊かな生活につながります。
こんにちは!
大田区田園調布にある、子ども専門 小児歯科・矯正歯科「ABC Dental」の院長です。
普段、私たちが美味しいものを食べたり、友人とお話して笑ったりするときに、歯はとても重要な役割を果たしています。
歯はお口の中に当たり前のように存在しているので、歯の重要性についてあまり意識することがないかもしれませんが、実は『歯は資産』と言えるほど、非常に価値があるものなのです。
保護者様はお子様に歯の重要性について伝えておくことで、お子様の歯に対する意識が高まり、自分の歯を大切にして、生涯、健康的に歯を維持することに繋がります。
そこで今回は、歯の資産価値について、歯1本あたりに値段を付けたらどれくらいになるのか、現役の歯科医がお話しましょう。
Table of Contents
なぜ歯は大事にすべきなの?
学校の歯科検診や歯医者では「食後は歯磨きをしましょう」「歯を大事にしましょう」とよく言われますが、なぜ歯は大切にすべきなのか、改めて確認しておきましょう。
食事の機能と健康サポートする
歯には食事をする際に「咀嚼」という重要な役割を果たします。食べ物を歯で噛み切り、そしてすり潰すことで、唾液と混ざって飲み込みやすくなり、栄養の吸収を助けています。
歯がなければ食べ物を噛み切ったり、すり潰すことができなくなり、消化吸収が上手くできなくなるので、胃腸に負担をかけてしまい、栄養を全身に行き届けることも難しくなります。
また、歯があることで、食べ物の歯ざわりや食感、歯ごたえも感じることができます。カリカリのおせんべい、サクサクの天ぷら、もちもちのお団子なども歯があるから楽しめるのです。
発声・発音、豊かな表情を作る
歯は家族や友人と楽しく会話をする時に正しく発音したり、笑ったり、驚いたり、様々な顔の表情を作るためにも役立っています。
歯は唇や舌と連携しながら、口の中の空気をコントロールして正確な発音をしたり、歯と顎の骨が表情筋と密接に連携して豊かな表情を作り出すことができます。
歯を失ってしまったらどうなる?
歯には食事や会話など、日常で重要な役割を果たしているとお分かりいただけたと思いますが、もし歯を失ってしまったらどうなるでしょうか…?
以下のような症状が現れます。
①嚙み合わせが悪くなり、食事がしにくくなる
②栄養の吸収を妨げる
③胃腸へ負担がかかる
④発声・発音がしにくくなる
⑤歯並びが悪くなる
⑥残った歯に負担がかかり、もろくなる
⑦噛む回数が減り、頬の筋肉が衰え、顔のゆがみが起こる
⑧口腔内の免疫機能が低下する
⑨運動能力が低下する
⑩治療費がかかる
歯を失うと日常生活で多くのリスクが起こりえます。毎日、美味しいものを食べて、楽しく笑いながらお話をするためにも、1本1本の歯を大事にする必要があるといえますね。
歯1本の重要性について
子供の歯(乳歯)は全部で20本、大人の歯(永久歯)は親知らずを除いて全部で28本生えてきます。
歯と歯は、隣同士と上下がお互いに支え合い、全体の噛み合わせを形成していますので、歯は1本でも脱落すると、そのすき間に隣の歯が移動してくるので、噛み合わせが悪くなります。
食事の際には硬い食べ物、例えばステーキやりんご、ゴボウなどを噛み切ることが難しくなったり、周囲の歯に負担がかかってしまうので、歯並びが悪化する原因にもなります。
何歳になっても、食事の楽しみと健康的な生活を維持するために、歯1本1本を大事にして定期的にメンテナンスをすることが大切です。
人間の歯は一度失ったら取り戻せない
人間の歯は一生に一度しか生えてこないので、歯は一度失ってしまったら、取り戻すことができません。
歯を失うよくある原因としては、虫歯や外傷によるものが多く、年齢と共に歯周病が悪化して歯を少しずつ失い始めるケースが多くみられます。
生涯、自分の歯を28本全部残すことは難しいことですが、歯を失うリスクを理解して、少しでも多くの歯を残せるように心がけたいですね。
歯1本の値段はいくらになる?
さて、歯の重要性を理解して頂けたかと思いますが、歯1本をお金に換算するといくらぐらいの値段が付くでしょうか?
実際に歯科医院が歯に値段を付けているわけではありませんが、日本予防医学協会が調べたアンケート結果に面白いデータがあります。
日本人が考える歯1本の価値は約35万円と考えており、一方でアメリカ人は歯1本の価値は500万円だと答えました。その差は14倍も開きがあります。
日本では歯を失ってインプラント治療を受ける場合、大体の相場は1本あたり40万円くらいですので、日本人は歯1本の価値は35万円くらいと考えているのかもしれません。
もし歯1本に500万円の価値があるとすれば、歯全部28本は総額1億4千万円となりますので、自分の歯が全部ある人はかなりの資産価値を持っていることになりますね。
国による歯の価値に対する意識の違い
ここからは、国によって歯の価値に対する意識が違う理由について見ていきましょう。
健康保険制度の違い
日本には国民皆保険制度があり、国民全員が支え合うことで、全員が高度な医療を安い医療費で受けることができる素晴らしい制度です。
ただし、公的医療保険制度は病気のときや事故にあった時に適用される制度ですから、歯の痛みや虫歯、出血、腫れなどのトラブルが起きた時に歯医者に駆け込むケースが多いです。
一方で、アメリカには日本のような国民皆保険制度は存在せず、民間の保険に加入する必要があります。保険料は高額ですので、国民全員が健康保険に加入しているわけではありません。
民間の保険に加入していても、歯の治療費の自己負担額は高く、虫歯1本あたりの治療費は約5万円、根幹治療含むと25万円ほどかかってしまいます。
ですから、アメリカでは歯が悪くならないように日頃からケアをしておかないと…という予防する意識が日本人よりも強く、定期的な歯科検診とメンテナンスする傾向があるのです。
美的感覚の違い
日本人は昔から「八重歯が可愛い」と言われることがあるように、少しガタつきがある歯ならびでも、それがチャームポイントとして受け止められている風潮があります。
一方でアメリカでは、前歯の隙間がなく、白い歯が揃った「ハリウッドスマイル」が男女とも人気があり、仕事でも私生活でも白く整った歯並びの人に好印象を持つ傾向にあるのです。
見た目に清潔感があると仕事や私生活もプラスになる審美的な理由、そして虫歯や歯周病になりにくくなる観点からも、歯列矯正の普及率が高く、特にインビザライン治療は身近な治療となっています。
生涯、自分の健康な歯を保つために
日本では80歳になると歯の平均本数が約15本、アメリカでは約18本、歯科先進国のスウェーデンでは約20本と言われており、日本は残念ながら歯科後進国と言わざるを得ません。
その理由は先ほども述べたように、歯医者は歯が痛くなってから行くところ、と多くの人が考えており、予防のために定期検診やメンテナンスをする意識がまだ低いことが挙げられます。
しかし、近年は日本でも予防歯科の考えが広まってきており、虫歯や歯周病を予防するために歯医者へ通い、歯に対する価値を高く持つ人が増えてきています。
また、SNSの普及もあって、白くキレイに揃った歯並びを求める若い人も増えており、日本人の歯の価値に対する意識が高まっているように感じます。
生涯、1本でも多くの歯を残せるように、自宅では食後のブラッシングとフロスを使ったセルフケアを身に付けて、定期的な歯科医院でのメンテナンスを受けることが大切です。
子どもの予防歯科・矯正歯科はABC Dentalへ
乳歯と大人の歯が混在する子どもの歯は虫歯が多発する時期ですから注意が必要です。
甘いものが大好きなお子様には歯垢の増殖を防ぐためにも、おやつの回数や糖質の摂取を抑えるようにしましょう。食後は歯磨きをする習慣をなるべく早く身に付けることも大切です。
また、大人になっても健康な歯を保つために、定期検診やフッ素の予防、クリーニングなどを受けて、健康的な口腔内環境を維持するように努めましょう。
大田区田園調布にある子ども専門の小児歯科ABC Dentalでは虫歯になりにくい強い歯を目指す予防歯科、一人ひとりに合わせた矯正歯科に力を入れております。
明るく開放的な空間で楽しく通える歯科医院を目指しています。予防歯科、矯正歯科についてご相談やご質問がございましたらどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
まとめ
保護者様は子どものうちから歯の重要性について伝えてあげることで、歯磨き習慣や定期検診へ行く意識などを理解して、大人になっても健康的な歯を維持できるようになります。
ぜひ、この機会にお子様と歯の重要性について話し合ってみてはいかがでしょうか?生涯、食事と会話を思い切り楽しむためにも、歯に対する意識を高めていきましょう。