「子どもの 反対咬合 の症状、原因、治療法は?子どもの歯科検診で歯並びやかみ合わせに問題があると分かった時の対処法、治療法について、詳しく解説しましょう」
こんにちは!
東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯医者「abc dental」の院長です。
いつもブログを見ていただいてありがとうございます。
今回のテーマは、子どもの「不正咬合」を取り上げます。子どもの歯科検診で歯並びやかみ合わせに問題があると分かった時の対処法、治療法について、詳しく解説しましょう。
▽先読み!この記事で分かること
・子どもの不正咬合の種類
・不正咬合の原因は?
・不正咬合の治療法は?
・小児矯正のタイミングは?
「abc dental」は…
東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。
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ご質問:子どもの歯科検診で不正咬合と診断されたのはなぜ?
今回のご質問です。
「子どもの歯並びの見た目はそれほど悪くはなく、普通に見えます。しかし最近、歯科検診を受けた時に『不正咬合』と診断されました。
これから成長するにつれて、歯並びが悪くなってしまうのか心配です。小児矯正を始めた方が良いのでしょうか?それとも、矯正治療は大人になってからの方が良いですか?
アドバイスをよろしくお願いします。」
回答:上下の歯がきちんと噛み合わない症状があります
ご質問に回答します。
お子様が歯科検診で『不正咬合』と診断された場合、歯の並び方、もしくはアゴの骨の位置によって、上下の歯がきちんと噛み合わない症状がある、ということになります。
『不正咬合』とは、歯並びが不揃いの状態にあり、歯がうまく噛み合わないため、食べ物を噛みにくかったり、歯が磨きにくく、虫歯や歯周病を引き起こしやすい症状です。
子どもの歯は6~12歳頃に永久歯に生え変わりますので、矯正をするならば年齢が早い方が効果的です。小児矯正の方が治療期間が短くて済み、根本的な歯並び改善になります。
現在の歯並びに見た目は問題がなくても、『不正咬合』が自然に治ることはありません。大人になって歯列が安定する前に子どものうちに小児矯正を始めることが推奨されています。
小児矯正は根本的な歯並びの原因を見つけて治療するため、食べ物を正しく噛んだり飲んだりできるようになり、消化不良になりにくく、体全体の歪みが起きにくいのもメリットです。
では、子どもが『不正咬合』になる原因や治療法について詳しく見ていきましょう。
子どもの不正咬合とはどんな症状?
「不正咬合」は、歯を支えている骨、もしくは上下のあごの発育に問題があり、アゴ周りのバランスが崩れて、歯がガタついたり、出っ歯、受け口、すきっ歯などの症状が起こります。
近年、日本の子どもたちのアゴは小さくなっている傾向にありますので、子どもの「不正咬合」が増えており、実際、Abcdentalでは全体の80%くらいの患者様に症状が見られます。
▽「不正咬合」の症状
・食べ物が噛みにくい
・飲み込みにくい
・しゃべりにくい
・口が開きっぱなしになる
・鼻で呼吸ができない
こういった症状がある場合、歯科医にて診察を受けた上で、お子さまの歯並びが悪くなった原因と治療方法について相談されると良いでしょう。
子どもの不正咬合の種類
一口に「不正咬合」といっても、いくつか種類があります。子どもに多く見られる症状をみていきましょう。
叢生(そうせい)・乱ぐい歯
「叢生(そうせい)(乱ぐい歯ともいいます)」は、歯が重なるように生えていたり、ズレてボコボコした状態の歯並びです。八重歯も歯が重なっている「叢生(そうせい)」の一種です。
▽「叢生(そうせい)」になる原因
・アゴが小さく、歯が生えるスペースが十分にない
・アゴに対して歯が大きすぎる
・骨格的な遺伝
・アゴの骨の生育不足
・指しゃぶり、舌を前に押し出すクセがある
デコボコした歯は歯磨きが難しく、歯と歯の間に歯垢(プラーク)が溜まって虫歯や歯周病のリスクが大きくなるので注意が必要です。
上顎前突(出っ歯)
「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」は下あごより上あごの歯が前に出ていて、横顔の口元が突出している「出っ歯」の状態です。上顎の歯列全体、もしくは前歯だけが突出しています。
▽「上顎前突(出っ歯)」になる原因
・上顎だけ過成長している
・下顎の成長が不十分
・骨格的な遺伝
・上下の顎のバランスが悪い
・上の前歯だけが前方に傾斜している
・指しゃぶりや舌で歯を押すクセがある
出っ歯の症状は食べ物をうまく噛めないため、胃腸に負担をかけて栄養の吸収を妨げます。また、口の中が乾燥しやすいので歯周病リスクもあります。
下顎前突(受け口)
「下顎前突(かがくぜんとつ)」は下の歯が上の歯より前に出ているかみ合わせの状態です。下あごが上あごより前に出ており、「受け口」・「反対咬合」ともいいます。
▽「下顎前突(受け口)」になる原因
・遺伝的な骨格による
・下の顎が大きい、もしくは上の顎が小さい
・上の前歯が内側に傾斜している
・下の顎を突き出すクセがある
・舌が下の歯を押している
「下顎前突(受け口)」は発音がしにくい、食べ物を前歯で噛みにくい、食べ物を誤って丸飲みする嚥下障害のリスク、顎関節症のリスクもあります。
※顔全体に対して、上下の前歯もしくは上下の唇の両方が前方に突出している症状は「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」です。
正中離開(すきっ歯)
「正中離開(せいちゅうりかい)」は前歯2本にすき間がある症状です。「すきっ歯」ともいいお子様によく見られます。
歯と歯の間にスキ間が空いている歯並びは「空隙歯列(くうげきしれつ)」といい、すき間が黒ずんで見える状態です。
▽正中離開(すきっ歯)になる原因
・永久歯の本数が少ない
・歯が小さい
・顎の成長が不十分
・舌で前歯を押すクセがある
・指しゃぶり、舌のクセ、爪咬みのクセ
すきっ歯の状態は、歯と歯の間に食べ物挟まりやすく、虫歯・歯周病の原因になります。歯の間から空気が漏れて、発音がしにくいです。
開咬(かいこう)
「開咬(かいこう)」は奥歯で噛んだ時に、前歯にすき間ができているため、前歯でうまく咬み切れない症状です。「オープンバイト」ともいいます。
▽開咬(かいこう)になる原因
・遺伝による顔の骨格
・指しゃぶり、爪咬みのクセ
・舌を出したり噛むクセ
・口呼吸
「開咬(かいこう)」は前歯でかめないので奥歯の負担が大きいです。口呼吸になりやすく、ドライマウス、風邪、歯周病の原因になります。空気が漏れやすいので発音がしにくいです。
その他の症状
「不正咬合」はその他にも以下の症状があります。
・「交叉咬合(こうさこうごう)」、「クロスバイト」
上下の歯を噛み合わせた時に、どこかで噛み合わせがズレる
・「過蓋咬合(かがいこうごう)」、「ディープバイト」
上の前歯が下の前歯に2-3mm以上深く覆い隠された状態
子どもが不正咬合になる3つの原因
子どもが不正咬合になる原因は人によってケースバイケースですが、主な原因は3つです。
原因①日常的なクセ
幼少期から以下のような日常的なクセがある場合、不正咬合の原因になります。
・指しゃぶり
・口呼吸
・歯ぎしり
・食いしばり
・舌で歯を押す
・爪を噛む
・頬づえをつく
など
こういったクセは無意識に行っている場合が多く、指摘されないと改善されません。歯は一定の力が加わると、力が入った方向に動いていきますので、歯並びが崩れてしまいます。
原因②遺伝の影響
歯並びは遺伝の影響(遺伝因子)も大きいです。ご両親のどちらかにアゴの骨や歯が大きい、小さい、先天的に歯の数が少ないといった場合は遺伝しやすいです。
・両親が出っ歯や受け口
・両親の顎の位置がズレている
・通常よりも歯の本数が少ない、多い
など
日本人はアゴが小さくなっている傾向にありますので、歯がアゴの骨におさまりきらずに、不正咬合になって、歯並びのバランスが悪くなるケースが多く見られます。
原因③外部からの影響
不正咬合は病気や外傷といった外部からの影響によって歯を失うと、不正咬合になる場合があります。歯を失った場所に隣の歯が移動してきて、バランスが崩れてしまうのです。
子どもの不正咬合による悪影響
子どもの不正咬合は以下のような悪影響を及ぼします。
・悪い歯並びの見た目が気になる
・歯の磨き残しによる虫歯や歯周病が増える
・咬み合わせが悪くうまく発音できない
・肩こりや頭痛が起こる
・噛みにくく、胃腸に負担がかかる
・姿勢に影響が出る
ご両親が日常のクセをチェックしてあげることも大切です。
子どもの不正咬合を矯正治療する方法
歯科医の検診で「不正咬合」と診断されたら、歯科医から原因について説明を受けた上で、適切な矯正治療を選び、症状を改善していくと良いでしょう。
子どもの反対咬合の治療方法はいくつか種類があります。
▽子どもの反対咬合の治療方法
・ワイヤーによる歯科矯正治療
・歯の裏側にワイヤーを取り付ける
・マウスピース矯正
・フェイシャルマスク
・ヘッドギア(口の外で使う装置)など
アゴの発育に問題がある場合、正常の位置に戻すために、機能訓練を行い骨格を修正します。
下顎が小さい場合は成長が促進される装置を使います。
小児矯正では、歯並びや顔のバランスを改善しながら、同時に呼吸や舌のクセもなくなるので根本的な改善となり、大人になってから抜歯を伴う大がかりな矯正治療を避けることができます。
子どもの不正咬合の治療期間はどれくらい?
治療期間は症状と治療法によっても変わりますが、一般的に1年半〜2年半が目安です。
奥歯に原因がある場合は、適切な矯正装置を使って上下の奥歯を動かしながら、正しい咬み合わせに改善します。上下の顎の成長に合わせて治療が行われます。
近年、子どもの不正咬合の治療法はマウスピースを使うケースが増えています。お子様の顎の骨や歯槽骨は成長していますので、矯正治療が終わった後も定期的な経過観察が必要です。
子どもの不正咬合|小児矯正を始めるタイミングは?
歯科医の診察で不正咬合の症状が見られた場合は、原因に合わせて適切な小児矯正をすると効果的です。目安としては、5〜7歳ぐらいに始めるのが理想的です。
小児矯正は上顎や下顎の骨が形成されている成長途中にあるため、骨が大人よりも柔らかく矯正しやすいのがメリット。日常的にしている悪い癖を見つけることもできます。
小児矯正を始めるタイミングは以下の2つあります。
▽小児矯正のタイミング
・第一期治療…歯の生え変わり時期に始める
乳歯の残っている幼児から小学生(3歳から12歳くらい)
顎のバランスを整えて、正しい歯並びの土台を作ります
・第二期治療…永久歯が生え揃った時に始める
永久歯が生え揃うくらい12歳から
歯並びのねじれや隙間を正していきます
▽成人矯正のデメリット
大人になって歯列が安定すると、矯正治療に時間がかかる上に、噛み合わせの悪さによって体への悪影響を及ぼし、根本的な歯列の改善が難しくなるため、後戻りもしやすいです。
子どもの不正咬合を矯正治療する費用相場
矯正治療は、基本的に健康保険は適応されないため自費となります。実際の矯正治療にかかる費用は、使用する装置や治療期間によっても異なります。
矯正歯科医院の診察を受けて、担当医から大体の治療費を尋ねることをおすすめします。
不正咬合治療でも、医療費控除を活用すると税負担を抑えることが出来ます。
小児歯科・矯正歯科専門「abc dental」にご相談ください
お子様の歯並びに矯正治療が必要かどうかは歯科医による専門知識が必要です。前歯が乳歯から永久歯に生え変わる7歳ころまでに受診されることをおすすめします。
大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「abc dental」はお子様のアゴの成長に合わせて適切な時期に治療を開始し、精神的な負担を極力減らすことを心がけております。
小児矯正のご相談はお気軽にご相談ください。